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ポーカーフェイスだからこそ。
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「…赤…葦…?」
俺は目を疑った。
手紙を渡してきたのは赤葦なのだから。
「すみませんでした、手紙なんかで呼び出したりして。普通に呼び出すのはちょっとアレだったので…」
赤葦は少し俯き気味に言った。
アレってなんだ、アレって。
俺は少し引っかかった。
「それで本題なんですが…」
赤葦は少し間を開けてから口を開いた。
「好きです、木葉さん。」
赤葦は表情を変えずにそう告げた。
「…え?」
俺は頭が真っ白になり、理解するには時間がかかった。
「えーと…それは、恋愛…的な意味、で?」
混乱やらなんやらで出てきた言葉はそれだった。
「ええ、そうです。できれば付き合ってほしいです。」
やはり。
きっと、「ちょっとアレだったので…」の発言の“アレ”は‘‘恥ずかしかった”ということなのだろう。
「赤葦はいわゆるホモなのか?」
「それなら何故俺なんだ?」
「そう考えたら普通木兎じゃないのか?」
なにかが爆発したかのように色々な問いが出てきた。
しかし、こちらが口を開く前に先を越された。
「まぁ、急に恋愛として好きと言われても困るのは当然です…でも、安心してください。」
そう言った瞬間、赤葦は俺の両手首を掴み、壁に押しつけ、耳元でこう囁いたのだった。
「大丈夫です、俺が、腰砕けになるくらいに惚れさせますから…」
「んっ…」
耳元で囁かれるなんて経験はこれまで皆無なせいか、変な声まで出てしまった。
というか、赤葦ってこんなに大胆な人間だったのか…?
それでもって、ポーカーフェイスだから何を考えているのかもわからない。
「もう暗いので帰りましょうか、それじゃあ木葉さん、また明日。」
赤葦はさっきまで何も無かったかのように颯爽と帰っていった。
「なん…だったんだ…?」
俺は呆然と立ち尽くしていた。
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