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鍵当番。
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「…全然眠れなかった…」
俺は赤葦に告白された後のことはあまりよく覚えていない。
覚えているのは、これからどうしたらいいのかを考えていたことだった。
俺は赤葦のことが好きだ。でもそれは、チームメイトとして、とか、後輩として、だ。
それならすぐに断った方がいいだろうとも思ったが、もしそれが原因で赤葦とあまり話せなくなるのは嫌だし、なによりチーム全体の空気が悪くなって迷惑をかけてしまうのはもっと嫌だ。
どうすればいいんだ…と思いながら身支度を済ませて家を出た。
朝練があるため、着替えに部室へ行く。
今日は俺が鍵当番だったので、自然と一番乗りだ。
しかし今日は、先に来ていた人物がいた。
「木葉さん、おはようございます。」
赤葦だった。俺が鍵当番と知っていてだろう。もしかして、昨日に告白したのもこのタイミングのためか…?だとしたらなんて計算高い後輩なんだ。
「あっ、ああ、おはよう」
そう言って部室を開けようとしたとき
「昨日のこと、少しは考えてくれましたか?」
大きく一歩を踏み出し、俺を壁に追い詰めて言った。
こいつは追い詰めるのがとことん好きなようだ。いろんな意味で。
「えっ、まあそりゃあ…」
俺は少し視線を外しながら呟くように言った。
「ですよね。考えてますって思いっきり顔に出てますし。」
「ちょっ…赤葦…ッッ!」
赤葦は右手で俺の横髪を軽く掴み、人差し指で軽く頬を撫でた。
しかも赤葦の方が背が高いため、自然と見下ろされる形になるのが腹立たしい。
「木葉さん…もう始まってるんですよ?」
「え…?」
そう言いながら、顔を近づけだした。
これは…まさかキスするつもりなのか!?
おいちょっと待て、俺初めてなんだぞ!?
「待っ、赤あ_______」
俺は覚悟を決めて目を瞑った。
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