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「木葉先輩、なんか今日調子悪くないですか?」
そう聞いてきたのは、1年レギュラーの尾長。
木葉は心労もたたり、ミスを連発していた。
「あー、昨日ちょっと夜更かしし過ぎたせいかもな!」
「そうなんですか?体調崩したらダメですよ!」
赤葦だけじゃない。みんな優しい。
その優しさに泣きそうになったりする。
「あー…やっと終わった…」
いつもより長く感じた部活。帰ってベッドに飛び込みたいくらいだ。
「木葉さん、ちょっと話あるんで待っててくださいね。」
「あっ、おう。」
話…ってなんだ?もう広がり始めてるのか…?
そう思った木葉は少し不安になり、心臓が脈打つのが速くなった気がした。
「お待たせしました。木兎さんがトスねだってくるもんで…」
赤葦は部室にある椅子に座り、間に机を挟み、木葉と対面する形になった。
「いや、いつものことだし、別にいいよ。それで、話って…?」
「朝のことですよ。明らかなにかありましたよね?笑い泣きであんなに目腫れないと思うんですが。」
自分が先に話すべきことを赤葦に越された。
本当に情けない先輩だ。
「………べつに…ちょっと、人間関係でイザコザがあった、だけ…」
言わなければいけないのに誤魔化そうとする自分がまだいる。なにをしているんだ自分。
木葉の目は明らかに泳いでいた。
「じゃあ、そのイザコザを詳しく話してください。」
「ーッッ。」
話すにも、どこから話せばいいものか。
緊張のせいか、心臓がバクバク鳴ってる。
「俺は、アンタのことが大好きです。愛してます。…だから聞きたいんです。小さなことでも。
お願いですから、話してください。」
赤葦は木葉の手を優しく握り、諭すように言った。
赤葦の言葉を聞くと、どういうわけか涙がぽろぽろと溢れてきた。止めようにも止まらなかった。
「…っごめん…赤葦…ごめん…っ」
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