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独占欲という鎖。
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「いや…いやいやいや、何言ってんの…」
「だってそうじゃないですか。」
俺は女子が嫌いではない。むしろ好きな方だ。しかし、その「好き」は赤葦を好きになってから変わったのだ。以前は性的対象とかの、至って普通の「好き」だったが今は別枠での「好き」というべきか。動物を愛でるような、なんとも言い表しにくい「好き」になっていた。
だからと言って、赤葦という立派な恋人がいるのを置いて女子に徒らに構おうとしていたのは申し訳ないと思った。
「たしかに、お前がいるのに女子に声かけまくってたのは悪かったと思う、ごめん…でもお前が好きなのには変わりないし、本当だから。」
「そうですか…で?俺を置いて女子に声をかける理由くらい、あるんですよね?」
謝っただけでは済まさない、理由までちゃんと問い詰める、流石はできた後輩、赤葦だ。おまけに表情もキツくなり、まだ怒ってますオーラがピリピリ伝わってきた。
「理由…としてはその…恋愛対象とは別で好きっていうか…ホラ、動物を可愛がるような意味で好きっていうか!」
「…あんまり疑うことはしたくないので信じますが…」
「ありがとう、ほんとにごめん…お前がそんなに怒ってるとは思わなかった…」
そう言うと、赤葦は大きくため息をつき、木葉を射抜くような目で見た。木葉はその目に、緊張の意味で一瞬ドキッとした。こ、このあとも説教くるか!?いやまぁ当然ちゃ当然か…と思い、少し覚悟をする。
「俺、そんなことされるとすっげえ不安になるんスよ。」
「…へ?」
「当たり前じゃないですか。やっぱり俺なんかよりって思うんですよ。…それと、そんなことされたら独占欲湧いてきちゃうんで本当やめてください。」
「!?!?えっ、あっ、も、もちろん!」
赤葦の顔を見ると、若干顔が赤かった。自分の本心をストレートに言うことが少ない赤葦にとって恥ずかしいことだったのだろう。赤葦の新しい面を見れた気がした。
そして、独占欲が湧くと言われたとき、実を言うと嬉しかったのだ。自分の好きな人が、自分を求めてる。
もっと、その鎖で縛ってくれればいいのに、なんて。
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