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木葉秋、生誕。
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当日、ついに女装をする日がやってきた。俺以外の男子はノーメイクノーウィッグが3人、ノーメイクが2人という手抜きっぷりであった。まあ6人分の化粧も大変だし費用もかかるから仕方のない部分ではあると思う。
「さぁーて、やるか…」
女子2人は指をポキポキ鳴らすかのような素振りをし、やる気に満ち溢れていた。なんか、コワイ。
俺はあのセーラー服に着替えさせられ、ヘアバンドをさせられ、粉が服につかないようタオルを巻かれた。
「はい、目閉じてー」
と言われて目を瞑るとクリームを塗り広げられ、薄いスポンジで顔全体を撫でられる。今まで体験したことがないからかこそばゆい感じではあった。
女子2人はアイラインがどうだのビューラーがどうだの、俺にはなにがなんだかさっぱりな単語ばかり言っていた。
最後には口紅を塗られ、ティッシュを軽く押し付けられた。
「はい、メイクはできた!あとはカラコン入れるだけ!!」
…えー…と…カラコン…?
木葉は一瞬思考を停止した。コンタクトなどとは無縁だったため、要領なんてこれっぽっちもわからない。入れるときは想像がつくけど、外すときってどうするんだ?痛くないって本当なのか?目に安全なやつなのか?
何もできずにボーッとしていると横の女子が顔を覗き込んで言ってきた。
「あ、木葉コンタクトとか入れたことない?」
「お、おう…」
「じゃあ私が入れてあげ____」
「あああのさ!カラコンだけ無しっていうのは…」
「それは無理だわ…だって木葉って目が細…特徴的なんだもん。カラコン入れないと誤魔化せないよ。」
「今、人生で最高にズバッと悪口言われたと思うんだが…あー分かった分かった!つけりゃあいいんだろ!!」
なんとかなる!取れなかったときはそんとき!病院行けばいい!!と開き直りにも似たような思考でカラコンを手にし、小さい手鏡を借りて目に入れる。付けた感想はというと。
「…あ、意外と…フツー…?」
「ね。どってことないっしょ?」
2つ目も問題なくすんなり入れられた。カラコンを付けられた達成感で既に疲れが出た気がしてならない。
女子2人は「お〜〜!!」と軽い拍手を送ってきた。
「はいこれ!!もう別人だよ!」
女子が目の前で持ってきた大きな四角い鏡に映っていたのは、柔らかい雰囲気を纏った女の子で、俺じゃない気がした。よく見ないと男とはわからないのではないのかというほどに。
目はカラコンを付け、アイラインを引き、程よいつけまつげで大きくなり、唇は薄いピンクの口紅を付けられて可愛らしい女の子感を出し、ゆるいウェーブの黒髪は男らしい輪郭を隠し丸く見せていた。
「どーよ、私ら2人でどう女の子にするか考えた超力作よ!」
「まー顔は変わったんだけどね〜身長がねー…せめて165…いや170くらいだったらなぁ…」
「申し訳ないけど、それはどうにもならねーわ」
たしかに、身長も変われば完全に別人だ。木兎たちと会ってもバレることはない…がやはりこればっかりはどうにもならない。でもあのバカなら疑わねーだろ!と若干酷いことを思いつつ自信を持った。
「さて、早速なのだが木葉秋紀…改め木葉秋ちゃん!客寄せに行ってこーい!!」
「はぁぁぁああああ!?!?」
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