アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
*
-
「泣いてちゃ分からない」
そう言うとアキラは、持った彫刻刀を少し握った。
前かがみで机に頭をうずめて塞ぎこんで泣く永久に、アキラは黙って口を閉ざすと、永久が自分に話すのを黙って待った。
しかし、永久は反応する事もなく小刻みに自分の肩を涙声で震わすと、声を殺してアキラの前で泣き続けていた。
アキラはそんな永久を黙って見つめると、さっき拾った彫刻刀を目の前にポンと無言で置いた。
カラン
コロコロコロ……。
彫刻刀が音をたてながら転がりだすと、永久の腕のあたりに当たって止まった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
11 / 202