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その後 8
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ピクッ
「・・・気付いてたんだね」
ふっと、
泣きそうな顔を一瞬だけ見せて、先生は微笑んだ。
それはひどく悲しそうで、その後に見せた笑顔さえも泣きそうだと錯覚しそうなものだった。
・・・でも、
だからどうした。
俺は別に、先生を覚えている訳でもないし、無関係に等しい。
そんな相手が悲しそうな顔をしていたって、何も感じない。
そう。
別に、なんとも思わない。
はず、なんだ・・・
「なんとなくそんな気がしただけ、ですよ」
一瞬、言葉に詰まる。
なぜだろう?
胸が、苦しくなる。
そして、
「ははっ じゃあ僕は、かまをかけられて、うまいこと引っ掛かったって所かな」
そんな俺の言葉に、先生は自嘲的な笑みを浮かべて見せる。
「っ!」
やめて
そんな顔を見せないで。
俺の中の、何かが出てきてしまう。
思い出してしまう。
忘れている、『何か』を。
やめて
にてるんだ。
・・・誰に?
わからない
でも、
いやだ!
思い出したくない。
嫌なんだ・・・
もう、嫌だ。
嫌なんだよ・・・っ
・・・あぁ、
この胸の中でとぐろを巻く、黒いモノ。
・・・俺は、苦しいのか・・・
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