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その後 27
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・・・
長い沈黙が、俺たちの間に流れた。
さっきから、朝霞さんは表情一つ変えずに俺を見つめ続けてる。
俺も、目をはなせない。
・・・先に沈黙を破ったのは、朝霞さんだった。
「颯君」
「・・・はい」
朝霞さんの瞳にうつる俺と朝霞さんは、とても似た表情をしていると、その時ふと思った。
それはきっと、
「ごめんなさい。僕は、颯くんの気持ちには応えられない」
・・・お互いに、この結果がわかっていたからだと思う。
不思議と、涙は出なかった。
「朝霞さん」
その瞬間
ふっと、二人して表情が戻った。
そして、そんなところを気にしている自分が、なんだかおかしくて・・・
なんだか、少し泣きたくなった。
そして、朝霞さんも少し寂しそうな、表情だった。
でも、
「なあに?」
すぐにいつもと同じ温かい微笑みに戻るから、
まるでまだ日常が続いているように、錯覚してしまう。
でも、それじゃ、だめなんだ。
だから俺は、
「理由だけ、聞いてもいいですか」
そう尋ねてみた。
そうしたらきっと、諦めがつくんじゃないかと思ったのだ。
・・・こんなところまで朝霞さんに頼って、本当に俺はろくでもないな・・・
と、自分でも呆れるけれど。
すると朝霞さんが、
「いいよ。少しだけまっててくれる?」
と、言って、自分の部屋にはいっていった。
「・・・っ」
そして俺は、ふと息を止めていたことに気付いた。
やっぱり、緊張してたんだなあ、と
思わず苦笑してしまう。
すると、
「おまたせ」
そういって、朝霞さんが戻ってきた。
なぜ部屋に行ったのか気になっていたのだが、
今は、そんなことより気になることがあった。
「・・・ノート・・・?」
朝霞さんが握っていた、一冊のノートだ。
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