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その後 29
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「・・・朝霞さん」
俺は、いまだに俺を見つめ続けてる朝霞さんに、そう声をかけた。
きっと俺は、泣きそうな顔をしているのだろう・・・。
「・・・思い出したんだね。 今、どんな気分?」
朝霞さんの表情が、悲しそうに歪む。
「凄く、悔しいです。 こんな大事な記憶を忘れていたなんて・・・」
俺はやっぱり、そんな表情しかさせられないのだろうか・・・?
すると、朝霞さんのまなざしが少し鋭くなった。
「そうだね。 じゃあ、もし海斗がこの先、記憶を思い出したらどう思うと思う?
・・・たぶんね、記憶のない年数が長くなれば長くなるほど、絶望も大きくなる。
自分を責めるようになるよ、きっと。
今、それを救ってあげられるのは、誰だと思う・・・?」
自分を、責める海斗・・・
見たく、ない・・・
「朝霞さん、」
「うん」
「俺、海斗に会いたいです」
「・・・」
「・・・いってきます」
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