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その後 ~朝霞編~ 35
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「だっ誰・・・?」
「・・・っあ」
そしてそう声をかけられた時、
僕は初めて、彼をじっと見つめていたことに気がついた。
「ご、ごめんね・・・音が聞こえたから、なにかな、と思って・・・見にきたんだけど・・・」
僕の言葉は、だんだんと小さくなっていく。
彼も、僕のことをじっと見ていることに気がついたから。
でも、そんなことよりも気にしなければいけないことがあった。
彼が、ここの近場の中学の制服を着ていたから。
「え、えっと、君は・・・どうして、こんなところに・・・?」
そう、今は深夜11:30を過ぎている。
この時間に外にいてはいけないはずなのだ。
そして僕がそう聞くと、彼はふ、と視線を外して
「・・・帰れないんです」
と言った。
これは、なにか訳ありなのかも知れない・・・。
そう思った僕は
「となり、いい?」
と、とりあえず彼の隣に座ってみた。
まずは相手の事情を把握しないとどうにも出来ないし、まさか置いていくわけにはいかないし、ね・・・
「僕、眞田 朝霞って言うんだ。一応、お医者さんです。君は・・・?」
「・・・香坂 颯です。中3です・・・」
「そっか、颯くんっていうんだ・・・。颯君は、どうしてここに・・・?」
そう聞いた途端、颯君の瞳の色が変わった。
「お、お願いします! 通報しないで下さい!」
すごく・・・必死だ・・・
身を乗り出すようにして訴える姿は、本当にただならないことがあるんだろうと、そう僕に思わせた。
「・・・話、聞かせてくれて、納得できたら、通報はしないよ・・・」
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