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その後 ~朝霞編~ 51
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「「・・・」」
じっ、と見詰め合う僕たち。
どうして、ここにいるんだろう、
とか、
海斗と同じ学校だったのか、
とか、
僕を覚えていてくれたんだ、
とか、
とにかく、いろんなことが頭の中を巡った。
そして同時進行で、彼を見つめて安堵していた。
彼は今でも、僕の記憶と同じように・・・否、記憶よりも強い瞳を持っていたからだ。
そのことにたまらない喜びを、感動を感じた。
・・・
「なに、二人は知り合いだったの?」
「・・・っ!」
そこで、海斗に声をかけられて、僕は我に帰った。
ああ、いくら驚いたとはいえ熱中して見つめすぎてしまったかな。
僕は少し反省しつつ、不自然にならないように颯君から視線を外した。
そして、驚いた。
・・・
僕を見つめる、海斗の瞳が目にはいる。
それはまさしく、
『嫉妬』
している目だったから。
「っ・・・!」
かなり、衝撃だった。
嫉妬とはまた違った胸のざわめきを感じて、自分にビックリしたのもあったかもしれない。
でも、ずっと心に秘めていた想いを、同じ相手に抱いているヒトがいたのだ。
・・・しかも、弟。
これに不穏な思いを抱かない者は、はたしているのだろうか。
そして海斗も、僕と同じ事を思ったようだ。
酷く驚いた顔をした後、気まずそうに目をそらした。
それはそうだろう。
僕も気まずいし。
そしてこの空気に耐え切れなくなった僕は、海斗と同様に視線を颯君に移した。
でもそこで、僕は後悔をすることになる。
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