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撮影会
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「あっ」
思わず手を伸ばすが、スマホは長身の九条の手によって上へと取り上げられた。
身長の差が仇となり、到底取り返せそうもない。
「撮ってやろう」
そう言うや否や九条が祐羽のスマホを片手に問答無用でシャッターを押してくる。
「わわわっ、あ、ありがとうございます!」
お礼を言っている間もシャッターを押されるので、慌てて居ずまいを正した。
ピースしたものの恥ずかしすぎて、手を下ろして普通に笑顔で写る。
そうして暫し。
「ほら」
手渡されたスマホを受け取り礼を述べる。
「あ、ありがとうございます!」
「また必要なら言え」
「はいっ、その時はまたお願いします」
そう答える自分は、きっと嬉しくて笑顔全開になっているだろう。
「あ。九条さんもよかったら、」
「必要ない」
「…ですよね」
ちょっと残念に思いつつも、こうして一緒に水族館を楽しんでいるだけでも凄いことなんだと九条を見つめた。
そんな風に思いながら見ていると、同じ様に並んで水槽を見ている何組かの客の向こうから視線を感じた。
祐羽はなんとなく九条から視線を外して、そちらへ向ける。
するとそこには水族館に入る前に出会った例のカップルが居て、女の子がこちらを見ていた。
※関連イラストで祐羽を描いてくださった読者様がおられます。ありがとうございました!!
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