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「おまえ、なんでこの村の蛇神なんかやってるんだ?」
暁丸は無遠慮にそう問いかけた。
「この小望月村が、とても好きだからだよ」
三日月は、穏やかに微笑みながら迷うことなくそうこたえた」
「おまえは蛇なのに、人間が好きなんだな」
暁丸は、どこか感心したように、だが同時に、ひどく不思議そうにそうつぶやいた。
「別に、異種族どうしで好意を抱きあうことなんて、この世の中にはとてもよくある話だろう?」
三日月は、屈託なく笑いながら暁丸にそうこたえた。
「竜じゃねえ連中はおっかねえよ」
暁丸は、ボソリとそうこたえた。
「だって――気を抜くと、すぐ、ブッ壊れちまうから――」
「暁丸」
三日月は、ギュウッと噛みしめられた暁丸の唇をその白く細い指でそっと撫でた。
「君は、とても――とても、優しいね――」
「…………」
暁丸は無言で、その金の瞳を光らせながら、三日月の緋色の瞳を見つめていた。
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