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「う……く……」
朱鷺色に染まった額にジワリと脂汗をにじませ、抑えた声で低くうめく三日月を、暁丸はきつく抱きしめた。
抱きしめた、といっても、三日月の下半身は今、その本性をむき出しにした、白い大蛇の姿になっている。そんな異形の身体に、その男のしるし以外は、どこか猛々しくはあるが、それでもやはり、幼くみずみずしい少年の肢体がのしかかり、抱きしめているその光景は、ひどく不思議で、ひどく淫靡で、同時にどこか、不思議と荘厳なものでもあった。
「……つらいよな」
暁丸は、ポツリとそうつぶやいた。
「わかってるけど、俺、やめてやれねえから」
「ん……当然だ。や……やめるな、絶対……」
「……ん、わかった」
暁丸は、その少年の肢体からすれば怪物的としか言いようのない怒張したものを、三日月の襞の中にゴリゴリとこすりつけた。
「っく……ふ、う……」
「……おまえ、もしかして」
脂汗を流し、上気し、朱鷺色を通り越して紅色に染まりながらも、それでもなおひんやりと底冷えがしている三日月の、その本性は白蛇神である顔や体に頬をこすりつけながら、暁丸はハッと息を飲んだ。
「でかさだけじゃなくて――俺の体が、熱いのも、つらい、の、か――?」
「ちょっと、のぼせているだけだよ」
三日月は、愛しげに微笑みながらそっと暁丸の頬を撫でた。
「つらいんじゃない。だから、そんな顔をするな、暁丸」
「おまえがつらいのは、いやだ」
暁丸は、どこかべそをかいているような顔でそう言った次の瞬間、三日月の肩口にグリグリとその若々しい、幼い顔をこすりつけた。
「でも――俺、どうすりゃいいのかわかんねえ――!」
「続けて」
暁丸の頭を優しく撫でながら、三日月は断固とした声でそう言った。
「続けて、暁丸。私は、大丈夫だから――ちゃんと、最後まで――」
「――わかった」
決然とうなずいた暁丸は、そのまま躊躇することなく三日月の唇を奪った。
「――!?」
三日月は、呆然と暁丸の顔を見つめた。
「暁丸、君――怪我をしたのか!? どうしたんだ、この血は!?」
悲鳴のように叫ぶ三日月の口から、紅い鮮血がつと流れ落ちた。
「うるせえな、わざとなんだから、そんなに騒ぐな、馬鹿!」
拗ねたように叫び返す暁丸の口からも、紅い鮮血が流れ落ちた。その叫びは、ほんのわずか、いつもよりくぐもっていた。
「え? わ、わざ、と――?」
「……俺の血飲んだら、少しは精がつくかと思ったんだよ。でも――おまえはあんまり、気に入らなかったみたいだな」
「……ああ、暁丸……」
三日月は恍惚と、陶然とそうつぶやくや否や、鮮血が滴る暁丸の口に唇と舌とをはわせ、次いで、ジュウと音をたてて暁丸の口内から直接その血を啜り取った。
「……ありがとう」
三日月は、暁丸の金の瞳をしっかりと見据えてそう告げた。
「君の、雌になる。君の番いになって、君の子を孕んで、産んで、そして、育てるよ」
「あったりめえだ、ばーか!」
暁丸は陽気に、かつ不敵にそう叫びながら、その凶器に等しい、いや、凶器以外の何物でもない怪物的な怒張で三日月の襞の中をガツリと抉った。
「俺、最初っからそのつもりだし、最初っからずっとそう言ってるだろーが、ばーかばーか!」
「ん……そ、だね……」
ヒュ、と悲鳴のようにのどを鳴らしながらも、三日月は愛しげに微笑みながらうなずいた。
「あ……なか、すげ……」
暁丸はうっとりとした、だが、同時にどこかひどく残忍な笑みを浮かべた。
「なあ――わかるか?」
ゴリゴリと抉り、削り取るようにその少年の肢体と、その幼い体には全く持って不釣り合いな、というか一種狂的でさえある怒張とをうごめかしながら、暁丸は三日月の耳に煮えたぎるささやきを注ぎ込んだ。
「俺の、雄が、おまえの、雄を、削り取って、抉り取って、すりつぶして、ブチブチもぎ取って、ガツガツ食いちぎってんの。なあ――わかるか? おまえ、どんどん、俺の、雌になってく――」
「わ――かる、よ――」
かすれた声で穏やかにそうこたえ、次の瞬間のたうつように身悶えながら反り返る三日月の体を、暁丸はその、幼さが残るが猛々しくたくましい体全体で縛りつけるように抱きすくめた。
「逃げんな」
「に――げない」
その身を抉られているのは三日月のほうなのに、泣き出しそうな顔でそうつぶやく、自分に、逃げるなと懇願する暁丸の言葉に、三日月はかすかな笑みとともにそうこたえ、暁丸の額に、コツ、と自分の額をぶつけた。
「ずっと、一緒だ。だって、私達は――番い、なのだから――」
「死んだら食ってやる」
暁丸は、傲然とそう告げた。
「だから――死んでも、いっしょ、だ――」
「……うれしいよ、とても……」
三日月は陶然とそうこたえ、再びガクリとその細いのどをのけぞらせた。
「……なあ」
不意に。
暁丸は、荒い息をつき続ける三日月の顔をジッとのぞきこんだ。
「なん――だい、暁丸――?」
「おまえ――こんなこと、されても、俺のこと、好き、か――?」
「好き、に、決まってるじゃ、ない、か――」
三日月は少しおかしそうに笑いながら、暁丸の頭をクシャリと撫でた。
「愛している、よ、あかつき、まる――」
「……俺も、愛してる!」
怒ったようにそう叫ぶと同時に、暁丸は三日月の襞の中に、灼熱のほとばしりを思うさま叩きつけた。
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