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26 ナツヤ
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帝光中から出て病院に戻った
祥吾はずっとテツヤをみていてくれて
なんかすげー嬉しくて
ホッとした
一般病棟に移されたテツヤ
(勿論個室だが)
に再度呼びかける
「テツヤ!テツヤ!起きてくれよ!
テツヤ!テツヤ!」
優しくけど力強く
しばらくするとテツヤの手がぴくりと動いた
「テツヤ?」
再度動く
何度と何度も
微かに握るまで
「テツヤ」
テツヤの冷たい手を両手で包む
テ「んんっ…っ…」
何年ぶりにテツヤの声を聞いただろう
嬉しくて嬉しくて
俺はすでに泣いていた
とめどなく流れ
布団を少し濡らす
「テツヤ分かるか?!」
テ「……にぃ…さ..ん…?」
掠れ、嗄れた、小さな声
その声でも
俺は抱きしめたくなる衝動を自力で制止して
頷く
見えていないからわかりようがないのに
「そうだよテツヤ!良かった本当にぃ…ううっ」
嗚咽までが吐露し始めた
テツヤの手を握りしめたまま
なきじゃくる
優「テツヤ、会えたなやっと」
ただその優也の言葉はすぐにテツヤには届かなかった
いや、届いていた
けど
誰か認識出来なかった
なんせ優也は成長して声が変わっている上
テツヤは見えないから
だけど心配はいらなかった
テ「優也…くんですか….?優也…くん
ゆう、やくん…!」
優「あぁ!テツヤテツヤ!」
優也は俺と反対の手を握りしめていた
祥「大丈夫か?テツヤ!」
顔を近づけテツヤに言う祥吾
今度はすんなり、分かったようだった
テ「はい、灰崎くん、」
良かった皆覚えていた
良かった
涙は止まらず流れているが
泣き止むまでに任せた
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