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優也目線
「…テ…ツヤ…?」
そこには紛れもなくテツヤなのに
全く別人の雰囲気を纏ったテツヤがいた
「俺がお前に会うのは初めてだな」
テツヤが話だす
でもいつもの口調じゃない
テツヤは俺なんて言わないし、何より癖の敬語じゃない
「お前…は?」
「テツヤのもう一つの人格と言ったら分かるか?」
「もう一つの人格…!まさか!」
二重人格!?
でも以前テツヤと離れる前
この雰囲気に似たテツヤを感じた事があった
「俺はテツヤの一部だが、テツヤはソラと呼んでいる
ソラって呼んでくれ」
ソラか
「いい名だな、ソラ」
「だろ?」
テツヤは綺麗な笑顔を浮かべる
でもソラは無邪気な明るい笑顔を浮かべていた
「なー優也、お前に言っておきたい事がある」
「何だ?」
「テツヤには以前のような純粋な心はもう無い…あいつらに対しての憎しみの心がテツヤを支配している」
あたり前だ
あの優しいテツヤでも恨みは消えない
「でもテツヤにはその力に限度がある」
「限度?」
「テツヤは心臓が弱い、この状態ではまともに生きていけるかも分からない」
「テツヤは…心臓が弱い…のか…」
聞いていなかった
馬鹿な
そんな弱っている体にまたいじめられていたのかよ!
「だから一つ提案
ここの病院移動して、静かな森の奥のような病院に行きたい
そこなら早くテツヤにも目覚めさせてあげられるし
テツヤの心が安らぐかもしれないから
あいつらにも分からないように、合わないように」
「分かった」
俺の声は先程の弱々しい声じゃなく
真っ直ぐで力強い声が響いた
「また会おう優也
よろしく」
テツヤは白い世界から綺麗な光とともに消え
俺も白から黒
黒から現実世界へと消えていった
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