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《困惑の夜》4
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「ッ…く、ぅィッ」
暗闇の中…
一人、半身を襲う痛みと戦うアキラ…
発作は半身が強張り…
呼吸すらまともに出来ない…
しかし永久に続く訳では無く、断続的に麻痺と弛緩を繰り返す…
半身の痛みが引いた時、普段なら多少身体の自由が利くようになるのだが…
今日は昼間の外出と、夜間も今まで立ち通しだった為か、身体に力が戻らなかった…
もはや、アキラに動くすべはなく…
時間だけが、無常に過ぎてゆくだけだった…。
午後11時半…
何も知らず、みずきはアキラが待っているであろう我が家に、時間ぴったりに帰ってくる。
「鍵…?」
出掛ける時にかけた筈の鍵が開いているので…
不審に思うみずきだったが…
「ただいま…」
静かに言って部屋の中へと足を進める。
「…?」
部屋を見てさらに不信感が強まるみずき…
部屋の中が異様にちらかっている。
棚の上に置いていた物が床へ落ち、家具の位置がズレている…
「…!」
みずきはなんとも言えない嫌な感覚が走り、アキラを確かめる為に寝室へ走る…
「アキラ!?アキラッ!?」
ベッドの上、居る筈の存在は、やはり…
そこへはいなかった…
「嘘、…どこへ?何故…」
頭の中が真っ白になり…混乱して呟いてしまうみずき。
ふと、足元に目をむけると…数本、煙草の吸い殻がバラバラと落ちている。
「…!?」
あきらかに何者かが侵入した形跡…
「アキラは…」
連れ去られてしまったのか!?
みずきは、とっさにそう思い探しに出ようとするが…
「!…コート、ない…?」
アキラが外出する時に身につける物が、一式ないのが目に入る。
アキラは自分から出て行ったのか…?
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