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向かう場所
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冬樹はどこに行く気だろう。
双子として20年一緒にいてわからないことなんてほとんどないと思っていたのに、今片割れがなにを考えているのか全くわからない。
今向かっているのが駅だということはわかる。けれど、駅に行って電車に乗って、どこに行く気なんだろう。
隣にいる姫を見るとこちらも少し不安げな表情。
「ねぇ、冬樹。今からどこに行く気なの…?」
「んー? 秘密」
ぶわぁあっと突風が駆け抜ける。
姫のスカートが翻り、細くて綺麗な足がさらされて胸がときめく。
俺らの視線に気がついたのか姫が恥ずかしそうに上目遣いでこちらを見ていた。
「次、降りるよ」
電車を乗り継いで1時間。冬樹がついに声をかけてきた。
お次は鵠沼海岸(くげぬまかいがん)、鵠沼海岸~というのんきな車掌の声。
なんでこんなところに…?
そんな疑問を抱えつつも連れ立って降りる。
駅を出て10分ほど歩くと、強い塩の匂いにが鼻をくすぐった。
「わぁあ…!」
姫の歓声に混ざって波の音も聞こえる。
ぱっと開けた視界には広大な海岸が広がっていた。
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