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がたんごとんと音を立てて走る鉄の箱。遅いはずはないのにやけに遅く感じ、いらいらと膝を指で叩く。
お次はー鵠沼海岸ー鵠沼海岸ー
という車内アナウンス。
着いた……!
俺は荷物を持つと立ち上がり、ドアの前でスタンバイした。
てろりろり、と耳元でなる発信音。LINEの独特なそれは今の気持ちにはそぐわない。
そう経たずにヤツは出た。
『はいはい、どうしたの奏汰』
「お前らどこにいるんだ」
『そういう奏汰こそどこにいるんだよ』
「砂浜だ!海岸の」
足元の砂が崩れていく。
サラサラサラサラ
『あー、じゃあ洞窟っぽくなってる岩場ない?』
岩場………? もしかして、あれか。
「ある」
『おっ、見つけるの早いね。流石。僕らはそこにいるよ。そっち行こうか?』
「いや、いい。すぐ行く」
返事を待たずに通話を切る。
眼前に広がる海に海藻を投げ込むと冬樹のいう場所へ向かった。
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