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もしかして……
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教室に入ると姫が一人でスマホを弄っていた。
どことなく物憂げな表情にそそられる。
隣で春樹が首を傾げて呟いた。
「なぁ、奏汰は?」
「さぁ……? 僕らが来た道にはいなかったよね…?」
「……姫に聞いてみるか」
やっぱり、少し…気になる。
昨日は頭に血が登っていたとはいえ、あんな風に追い詰めてしまったんだから彼のショックは計り知れない。
きっと春樹がまっさきに奏汰を気にしたのもそういう事だと思う。
「姫、おはよ!」
春樹が駆け寄る。僕が追いかけた時には既に春樹は奏汰のことを聞き出していた。
「さっき中村くんが来て、連れていっちゃったの。少し様子が違ったから気になったんだけど……」
「様子が違うって?」
「うん、初めぼくと話してたときはいつも通りだったんだけどね……」
てことはあまり気にしなくても大丈夫そうなのか…? いや、でも僕らのことをどう思ってるかはわからないからなぁ……
「中村くんが来てからなんか真っ赤になったり、なんか怒ってたみたいだったりして。すごく仲良さそうな感じだったんだけど、あんなに仲良かったっけなぁって考えてたの」
真っ赤に、なったり……? 奏汰が…? うわ、似合わな……
「なんか腰も痛そうだったんだよね。大丈夫かな…怪我したとか……」
姫が思案顔で呟く。
…腰?
そこまで聞いて、以前中村くんと雑談をしていた時の言葉が蘇る。
「なぁ、冬樹」
「ん?」
姫には聞こえないように小声で春樹が呼びかけてくる。最も姫は考え事に夢中でこちらの声は聞こえてなさそうだけど。
「中村くんってさ……前、自分はバイだーって言ってなかった…?」
「……うん。僕も今、それ思い出してた………」
春樹と見つめ合う。
「これは……」
食われたかな……?
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