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目覚め2
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春樹が倒れてから二日後の月曜日、僕は昼食をとってから自室の扉をそっとあけた。
中を覗くと春樹の目が覚めたようで身じろぎをしている。
中に入って春樹に駆け寄り、声をかけるとどことなく不安気な表情で答えてきた。
その答えとともに投げられた問いにそっと答える。
「金曜日に倒れて、今日は月曜日だよ。まる2日眠っていたかな」
春樹は目を見張ると、慌ててサイドテーブルに乗っかっていたスマホを手に取り、日時を確認したようだった。
小さく呟かれた驚愕の声にそっと手を伸ばす。
額を触ると、少し熱っぽくはあるが、二日前とは比べ物にならないほど落ち着いたのが確認できた。
「お医者さんに来てもらったんだよ。ただの風邪だって言ったけど、あまりにも目を覚まさないから心配した」
少し非難するように言ってやると春樹が申し訳なさそうに表情を曇らせ、謝罪してきた。
「お礼、姫にいいなね。今日はさすがに学校行かせたけど今朝まで殆ど寝ずに看病してくれたんだよ。寝てっていっても聞いてくれないしさ」
「姫が……?」
少し嬉しそうな顔をする春樹。そんな春樹の額に軽くデコピンをすると、僕は立ち上がった。
「お腹、すいたでしょ。お粥作ってくるから、大人しく待ってて」
「お粥……梅干乗せて欲しい」
「わがまま……」
全く……無理をしていたことにまだ少し怒っていたから、ギロリと睨みつけるともぞもぞと毛布をかぶって顔を隠していった。
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