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甘い吐息
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「あっ、やっ…も……」
僕の腕の中で荒く息を吐く姫。
うるっとした瞳から溢れ出る雫を舐めとるように口づけた。それすら刺激になったようでまあ小さく甘い息を吐く。そっと後ろの窄まりを探ると、姫のお腹に飛び散った白い液体を潤滑剤代わりに指を押し込んだ。
「んぁっ……」
鼻にかかる吐息に理性が煽られる。欲望のままに楔を打ち立てたいと思うけど、姫を苦しめることはできない。
ぐっと押しとどめて、丁寧に丁寧に解いてゆく。
浅いところで指を出し入れし、あえて奥までは入れない。
しばらくはそれで感じていた姫は、今はもどかしげに腰を動かして奥まで触らせようとする。指はいつしか2本に増えていた。
「と、き……! 冬樹……!」
「うん?」
「も、い、から……はやく……!」
息も絶えだえに懇願してくる姫。その瞳は完全に欲に濡れ、色気を放出させていた。
「だぁめ、まだ2本しか入ってない」
「だい、じょうぶ…だから、早く……!」
「ダメだよ」
耳をそっと噛むと、那都のアナルはきゅうっと刹那げに僕の指を締め付けた。
たぶん、もういれてしまっても大丈夫だろうとは思う。何度も何度も体を重ねているから、きっと那都の体はもう僕を覚えている。
それでも少し、焦らしてみたくなったのだ。
那都の嬌声に滲む切なさが僕の理性を壊しに来る。でもぐっと抑えて更に丁寧に愛撫した。
どのくらいそうしていただろうか。結構長いことしていたはず。
快感を訴え、さらに求める姫自身には手を触れず、自分で触ることも許さずに、曖昧な快感を与え続けていた。
もうおかしくなる、と何度訴えられただろう。けれど僕も我慢の限界を迎え、そろそろいいかなと指を引き抜いたとき、グイッと強い力で押されて僕はベッドに倒れ込んだ。
「なっ……」
見上げた先には那都の顔。
僕は状況を理解するのにしばしの時間を有した。
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