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証明したい(*)
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「……ぅ、うー……」
気持ち悪い。
サイトにも書いてあったから、最初から快感を拾うなんてことは期待してなかったけれど、これ程までに異物感しか感じられないとは思わなかった。
中に埋めた中指を半ばやけくそにぐるりと回してみるけど、腸壁が押し広げられる感覚がして気持ち悪いだけだ。
「……もう、何やってるんだ俺……」
桜和に電話した時、あいつは自分が何とかすると言った。それを押し切って頑張ると言ったのは紛れもない俺だけど……開始1時間にして、心が折れそうだ。
何というか、恥ずかしいを通り越して惨めというか。こんな、ひどく倒錯的なことをしているのに、それに溺れられない頭だけは変に冷静だからいけないんだ。
行動がどんなにおかしくても、頭だけは常識から踏み外そうとしないから、だから。
「…………」
でも。
どうしてもやめる気にはなれなかった。
だって俺は、桜和に証明したいのだ。自分だって桜和から与えられてる愛と同じか、それ以上のものを持っているんだと、そう証明したい。
もう、甘やかされた世界の中でただ周りの庇護を甘んじて受けるだけでいたくないから。
それを察知したから、あの2人は俺の元にやってきたんだと思う。誰のためか、なんて言えば、それは俺のためではないだろうけど。
「……取り敢えず、あと1時間……」
1時間頑張ったら、もう寝よう。時計の針は10を指している。あと2時間もすれば大晦日だ。
──……そっか、分かった。神楽がそこまで言うなら、俺は大人しく待つよ。頑張って。
『無理そうだったら言ってね』とか、そういうことは言ってこなかった。それが嬉しかった。逃げ道を作られないことが、嬉しかった。
だってそれは、俺の意志を信じてくれてるってことだから。
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