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変化(*)
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そんな年越しから4日が過ぎた。
半ば習慣と化した所謂『慣らす』行為はいまいち成果も上がらず、終わりがけにはいつも半べそをかくような有様だ。
紙袋に入れて貰った時には三本揃って未開封だったローションも一本目がそろそろ底を尽きそうで、それが更に不安と焦りを駆り立てる。
「う、うぅ……きも、ち、わる……」
時計の針が揃って真上を向きそうなのを見て、今日はこれまでにしようと指を引き抜く。ベタベタになった下半身を洗い流さなきゃいけない。し、同じように汚れたバスタオルを処理しなくてはならない。
「──っあ……っ!?」
思わず飛び出した大きな声に、意味が無いと知りつつ慌てて口を塞ぐ。何だ今の。身体が大袈裟に揺れた。
コンコン、とノックの音がして、またビクリとする。
「神楽……? 何かあったの?」
存外大きな声だったようで、母さんの訝しげな声がした。
「──」
「……寝言かしら、珍しい」
声を出せないでいる間に母さんは俺が寝ていると思ったようで、足音は遠ざかっていった。電気を消しておいて良かった。
「……ふぅ……」
心臓に悪い。こんな姿を見られるなんて、堪ったものじゃない。
ちらりと暗闇の中で後ろに目を向ける。カーテンの隙間から射す該当の灯りに反射するベタベタの手と、ベタベタの尻。ぶる、と身震いして、ティッシュを取る。
さっきの感覚は間違いなく今までとは違って、何だか少し怖かった。
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