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訪問
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──ピーンポーン
間延びした呼出音の後に、スピーカーからはぁい、と優しそうな声が聞こえた。
「藤波高校2年生の紫月と言います。生徒会の件で桜和くんに話があって来ました」
『あら、少し待っててね、今桜和を呼んで──』
『母さん、桜和今手ェ離せないから神楽くんが来たら部屋まで来させてって言ってたよ』
和音さんの声だ。桜和には話を通していないのでそんなことを言うわけがない。完全に立ち位置がスパイだ。
玄関で出迎えてくれた和音さんは、「来てくれたんだね」と今まで見た中で一番優しく笑った。
「大の大人にあんな弱った声であそこまで言われて、無視したら後味が悪すぎるので」
「ツンデレ?」
「何がですか」
やっぱり来なくても良かったかもしれない。
「桜和の部屋は階段登って目の前の部屋だよ。まぁ──一番うるさい部屋がそう。……あ、でも1回来たことあるんだっけ」
「……どういう意味ですか」
「そのまま。オルタナティブロックが轟音で鳴ってるからその部屋に突撃して」
「…………」
なんだそれ。
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