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無意識的自覚症状
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階段などを登れない俺の代わりに一人で校内の見回りから戻ってきた桜和はマフラーを巻きながら唐突に口を開いた。
「神楽送ってあげる」
「お前、今日朝も来ただろ。そんな負担かけるわけには…」
「俺が送りたいの。今日は兄ちゃんがいたせいであんまり神楽にくっつけなかったし」
そう言われると流石に無下にもできない。桜和とは、出来るだけ長く俺も一緒にいたい。
………って、
―ゴスッ
「うわあぁぁああぁあああっ!?神楽何やってんの!?そんな重そうな鞄足に落とさないで!怪我人!!!」
足にばかり気が行っているおかげで気付いていないらしいが、顔が熱い。
一緒にいたい?少しでも長く?俺が?桜和と?いやいや、そりゃあ勿論、この間コイツを好きになってしまったということは認めた。首のガーゼが受け入れた証の一つだ。でも、でも…………
「神楽?顔、真っ赤だけど…」
「…見るな忘れろ」
「写メっていい?」
「聞けド阿呆」
全く以て話を聴かない傍若無尽の大馬鹿者。それが愛しいなどと曰う俺も、大概阿呆なのだろうか。
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