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きっと綺麗
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―雪が降った。
「うわぁ…キレーですね…雪なんてそうそう見られないし…」
「ウサちゃんは雪好きなんデスか?」
「うん。綺麗じゃない?真っ白で私、すごく好き」
鵜野と佐神が生徒会室の窓から外を覗き込んでいた。
ここではなかなか見られない雪にテンションが上がっているらしい。窓まで開けて、たまにヒュウッと冷たい風が吹き込んでくる。
「…愛里紗ちゃんって矜持には割と普通だよね」
「おどおどした感じはあまりないな」
今年度の生徒会で一番まともな2人だと思う。
「神楽が積もった雪の上で仰向けに眠ってたらきっとすごく綺麗だよね」
「…は?」
「儚くて綺麗だと思う。雪の白に神楽の白が融けてくの」
他の奴にこんなこと言われたら俺はきっと普通にしていられない。桜和に言われても勿論普通にしていられないけど、意味が違って。
顔が熱くて仕方が無い。他の奴の言葉なら、気を失うほどのストレスになるだろう。
「神楽が雪に融けちゃったら、俺はその雪を全部瓶の中に閉じ込めちゃう」
「新手のホラーだな」
結構怖いこと言われた。
「本当は、今すぐ誰も知らないところに鎖で繋いで俺以外に触らせないで俺以外のやつなんて見せないようにしてしまいたいんだけど」
「嗣川が前に言ってた。そういうのヤンデレって言うらしいぞ」
誰も知らないところにだ誰にも見られないように閉じ込められる…か。
ラプンツェルでも、小鳥でもなくて、ただただ悪辣な監禁という選択肢。大事に庇護されるより、桜和にはそんな風に酷い愛し方をしてもらった方がいい気がした。
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