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無愛情事*
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―――………
「…っぁ、あー……うぅ、ん…っ」
枕をぎゅうっと抱き締めて顔を隠す。こんな顔、誰かに見られるくらいなら火山の火口から中に飛び込む。
「伊吹ぃ、その枕退けて?顔見せてよぉ」
ふるふる、と首を振る。誰にも見られたくないけど、この人に見られるのが一番嫌だ。
排泄器官の中で動き回る指。さっきまでパソコンのキーボードを叩いていたそれは、今は俺の中で好き勝手暴れている。
「ぁ、ぁああ…っやぁ………」
「それにしても伊吹、成長したよねぇ。前は痛がって泣いてたのにさァ」
突然、腕の中の柔らかい感覚が消えて、いきなりの喪失感に驚いて目を見開くと、抱き締めていた枕が取り上げられていた。
「え、ぁ」
「―今は俺の指だけでもイケちゃうくらい淫乱になっちゃったもんねぇ」
「っあああっ!?」
ごりっと容赦なく前立腺を擦られて果てた俺は、顔を隠すことも忘れて閑さんの腕にしがみついていた。
「は、ぁう…」
「ごちそうさま、伊吹。可愛かったよー」
「……死んで、ください…」
ほんと、死ねばいいのに。二十歳超えて未だにクズ人間って、本当にただのクズ。救いようのない。
「憎まれ口叩く伊吹も可愛いけどさぁ……」
髪の毛をかき上げながら閑さんが笑う。瞳は獰猛な熱を宿して俺を見つめていた。
「そろそろソレも躾時だよねぇ?」
ガバッと脚を持ち上げられて、さっきの前戯のせいでびしゃびしゃになっているところが丸見えになる。慌てて手を伸ばしても、無情に取り払われた。
「大人しくしてなってー。酷くされたいの?」
「…っ」
平常時から割とひどめだから、それ以上とか考えられなくて、体が強ばった。
閑さんがクスクスと笑う。さも愉快そうに。
「やっぱり、怯えてる伊吹が一番可愛いね」
「…っ悪趣味、ですね」
「うん、知ってるよぉ?だってオテホンが『生徒会長』なんだもん」
生徒会長―彼のことではないのは明白で、ならばそれは―…
「でも今は、そんなことどうでもいいよねェ」
指とは比べ物にならない質量が、俺の中に入ってきた。
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