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真愛情事*
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「あ、ぅあ、やぁぁ……っ」
口を塞ごうとする手は優しく退けさせられて、唇を噛もうとすれば閑さんの指を咬まされる。閑さんは、どうやら徹底的に俺の声を聴きたいらしい。
ぐちぐちといやらしい音を立てながら長い指が内壁を擦るのがどうにも恥ずかしくて、聞くに耐えない。
「し、ずか…さん、も、いいです、から…っそれ、やめてくださぃ……」
「やぁーだ。まだ二本しか入らないのに、痛くないわけ無いでしょ」
だから駄目、と閑さんは無情にぶった切った。
そんなこと言われても、こっちは恥ずかしくて死にそうなんだ。早くして欲しい。
取り敢えず指を抜いて欲しい。その、いろいろな人の髪に触れるその指が、俺のそんなところに入っているなんて、考えただけで恥ずかしくて脳みその奥が焼き切れそうだ。
どうすればいい?煽って火をつける?それだ。でもやり方がわからない。
…ああ、一個だけ、その手の引き出しがあった。
「…苦し、んですよ……も、早く閑さんの……入れて、ください………っ」
あ、今……なんか、黒歴史が増えた気がする。
真澄に見せられた本のセリフ、ちょっと真似してみたんだけど。駄目だ、墓穴だ…
「………お前さぁ……」
ガシガシとメープルの髪を掻きむしって、そのまま掻きあげると、閑さんは目を閉じた。そして、深く息を吐き出すと、ゆっくり目を開いた。
髪、掻きあげるの……閑さんがイラついたりした時の癖……
「そんな煽って、どうなっても知らないから」
煽るのは、成功したらしい、けど。これは……少し、マズったなー…って感じだ。
「もうさ、俺ねェ…今日くらいは頑張って優しくいこうと思ってたの」
ガチャガチャとベルトを外す音がやけに大きく聞こえる。
「お互いに愛し合えてるんだなぁって思って、嬉しくて。じゃあ今までのぶん、思いっきり甘やかしてやろうとか考えてたんだよォ」
ペロ、と閑さんは自分の唇を舐めた。
「そしたら…お前はそんな俺を試すみたいに煽ってきてさァ……もう、ホント……マジで壊れても知らないから、覚悟しておいてよ」
「………壊して、ください。壊れた俺でも、愛せるって、証明してくださ―っあぁぁあっ!!」
言い切らないうちに、閑さんのそれが中を穿った。馴れるまで待つ、なんて、ハナから考えてないような荒々しさ。気管からひゅっと息が抜ける。
「お前、ほんっと馬鹿…年上を揶揄うのもいい加減にしてよね…っ!」
「そ、んな…つもり、な…っ!」
つもりもないし、閑さんを揶揄える人間なんていないと思う。
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