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奈落
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*
2年ぶりに現れたソラは、瞼を切られ、もう片方の目は無くなっていて、シャツの隙間から見える腕や胸は傷だらけで、血が出ていた
連れてきたのはきれいな男の子
なぜか僕が魅力を感じたのは、傷だらけのソラの方だったけど
とにかくソラの手当てをしようとしたら、彼はその子を置いて走っていってしまった
なんでみんなまとまらないんだろう
僕たちはいつまでもこうしてお客さんの前で歌い踊れるわけではないのに
年齢もどんどん上がっていくのに
だからこそ協力して、お客さん一人一人の心に届かなきゃいけないのに
最近ライブもやってない
新曲を淡々と出すだけ
僕や海人、花澤さんとか深瀬くんとかが時々バラエティにも出るけど
でも、みんな冷たいよ
僕は寂しい…
でも…僕は彼から預かった、あの子を助けなきゃ
僕は彼に向き合った
「君の名前は?」
「ああ、俺はリュウだ。カタカナで、リュウって書く」
ソラと同じか…
リュウはいきなり海人に抱きつくと言った
「こいつと、知り合い」
「お、おいっ」
「あ、悪い、気に障ったか?」
「いや、そういう訳じゃねぇけど…」
知り合い??
確かに、二人に初めて会った感じはしない…
「どこで知り合ったの?」
「いや、どこっつーか…ソラが引き合わせてくれたっつーか…そんな感じでして…」
そうか、僕がソラをお願いねって言ったから、それを守って…
あんまり話したくないみたいだし、そう思っておこう
「僕は佑哉、リュウが知り合ったのは海人だよ。よろしくね」
「で、お前って、roseに入ったのか?」
「roseってなんだ?ソラも言ってたけど、薔薇がどうかしたって?」
うーん、roseもまだまだ有名じゃないんだなぁ
もっと頑張らないと
まあ、それはさておき、roseを知らないんじゃ、新メンバーとかではない
ソラがたぶん、隠して連れてきたのだろう
それにしても、この子はよくわからない
綺麗だけと、手首には擦り傷があるし…
手当てをした方がいいかな
と、その時、誰かのお腹がなった
「あ、悪い、おなかすいちまった」
笑って言うリュウに、僕も少し安心した
まだ疑問はたくさんあるけど、とりあえずは食事をしたいだろうし
「うーん…とりあえず、ご飯にしようか。なにか食べたいものある?」
「はいはい!俺肉食べたいっす!」
海人はいつも、肉が食べたいって言うなぁ
まあ、僕も肉料理は好きだけど、肉ばかりじゃ栄養が片寄っちゃう
「海人、魚も食べなきゃダメだよ」
「えー!俺いつも魚食ってるじゃないすかー!」
少なくとも朝昼晩、僕が料理を作る度に肉料理をリクエストされてる気がするけど…
まあいいや
「じゃあ、明日は魚ね、後野菜と…」
「うわー、佑哉さんの料理なら食べれるとは思いますけど魚っすかー?」
「好き嫌いはよくないよ」
ぶーたれる海人をほほえましく見てる
と、 くすくす笑う声がした
リュウが笑ってる
楽しそうに
「ソラに聞いていた通りだ。面白いな、あんたら」
リュウはソラと違い、健全な少年だった
瞳も元から澄んでいて、裏がない
手伝いも率先してくれるし、海人ともふざけあったりして、すごく僕たちの部屋に馴染んでる
でも、僕はすごくソラが心配だった
この部屋に空いているスペース
ぐちゃぐちゃになったソラの毛布
彼は今どうなってる?
わからない
たぶん、八十島さんの部屋…
僕は彼らの料理を作りながら、ずっとソラが気がかりだった
ある日、僕は二人にばれないようにお粥を作った
後は、包帯と絆創膏と薬と…
バッグを持ってきて、それに包帯とかを押し込む
お粥はタッパーでいいかな
タッパーもバッグに入れて、準備は大丈夫
僕はその夜八十島さんの部屋へと向かった
ノックしても返事はない
とりあえず、開けてみる
そこには、八十島さん一人だけ
ソラも、深瀬くんも、花澤さんもいない
「なん…」
「何でか知りたいか?」
頷く
何故あなたがここに一人でいるんだ
「俺は、お前を待ってたからだ。」
目を見開く
僕を待ってた?
何で?
「ソラが醜いからさ。片目しかねえし、腕にも肉まで届く傷がついてる。犯し足りないし壊し足りない」
醜いって…あなたが、あなたがそうさせたんだろ
犯し足りないって何だよ
壊し足りないって何だよ
ソラは、物じゃない
ソラは僕たちの仲間
ソラは、ソラは…!
思わず、彼の胸ぐらを掴んで殴ってしまった
その時に、異変に気づいた
手首が重い
見ると、鎖のついた手錠がひとつ、手首が抜けない
「殴んのなれてねーな、佑哉。 いいか、本当に殴るって言うのは」
といい様、鋭い衝撃が僕の腹部を襲う
部屋の反対までぶっとびそうになった
呼吸もできない
そのままなにもできないでいると髪を無理矢理引っ張られて、上を向かされ、キスされた
怖い
目が僕を射抜く
そのまま、鎖を短くされて、反対側も拘束されて、僕は壁に両腕を押さえ込まれて座らされてしまった
目の前には八十島さん
服を脱がされ、それをしゃぶられる
嫌なのに、嫌なのに快楽が襲ってくる
嫌だ
嫌だ
嫌だ
奈落が僕を襲った
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