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面倒臭い人
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何、口に出してぷんぷんとか言ってんだこの人……。
子供じゃあるまいし、ぷんぷんとか口に出したら可愛いとか思ってんのか?
18の男が。
先輩相手に失礼なことを考えながら冷めた目で見ていると、思いっきり睨まれた。
「何その目……。
せっかく何か食べさせてあげようと思ったのに、そんな生意気な態度だと何にもあげないよ!」
「あ、いいっすよ。いりません。
それじゃあ俺帰ります。
お疲れっした!」
「はぁ? ち、ちょっと飛雄!?
なんなのお前、生意気ー!」
一礼して踵を返す。
後ろで何かギャーギャー言ってる及川さんを無視して、早足でその場を立ち去ることだけを考える。
だってあの及川さんが俺に何かを奢ろうとするなんて、ぜってー何か裏があるに決まってる。
面倒臭いことに捲き込まれる前に、さっさと逃げた方が頭の良い選択だと言えるだろう。
バカな俺でもそれだけは分かる。
「おいこら飛雄!
待てって言ってるでしょ!
お前が俺に逆らうなんて、随分と偉くなったもんだね」
追い掛けてきた及川さんに腕を掴まれて前に進めなくなり、俺は心の中で何度も舌打ちをした。
本当に面倒臭い。
「いやあの、俺……何にもいりません。
早く帰りたいんで、離してもらってもいいっすか?」
「飛雄のくせにうるさいよ。
良いから着いてきな。生意気なお前となんか話がしたくなった」
「は……はぁ……」
やっぱり俺は年下だな。
面倒臭いと思ってても、何故か年上に命令されたら逆らうことが出来ない。
仕方無くしぶしぶと後ろを着いていく。
どうか、どうか、面倒臭いことになりませんように……。
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