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強引な唇
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「うあっっ!! いってぇーー……ちょ、おいか――――」
突然押し倒されたことに顔をしかめながらも、文句を言おうとした俺の唇は再び塞がれていた。
「ちょ、むうぅ…おいかぁさ……んぅ!」
必死に首を振りキスから逃れようとするが、すごい力で押さえ込まれ、少し放れてもまた直ぐに塞がれる。
すげー力、苦しい!
痛くなるほど唇を押し付けられ、上手く息が吸えない。
乱暴に口内を掻き回す舌を押し出そうとするけれど、逆にからめ捕られて吸い上げられた。
「んくぅうう……」
苦しくて、混ざり合う唾液を飲み込む事が出来ず、頬を伝う温かい感触がやけに生々しい。
荒々しく口内を掻き回され、息苦しさに意識が朦朧としてきた時、やっと唇が解放された。
「ハア、ハア…ハア……ハアハア、んで、こんな……」
「飛雄、飛雄……飛雄」
何度も名前を呼んでくる及川さんの顔を見ると、その瞳は獣のように鋭く、真っ直ぐにこちらを見据えていた。
その恐ろしい眼光を前に俺は、背筋に悪寒を感じて、思わずごくりと唾を飲み込んだ。
なんでそんな目で見るんだよ?
「……飛雄」
怯んで動けない俺の名前をもう一度呼んだ及川さんが、下の方へと手を伸ばした。
ギュッと強くズボンの上から股間を掴まれて、俺はたまらず悲鳴をあげた。
「ひうああぁっっ!」
力強くあそこを揉み込まれ、身体中が熱くなっていく。
俺は必死に及川さんの手を掴み、止めさせようとするが、力が強すぎてびくともしない。
なんでそんなとこ触るんだよ。
嫌だ! おかしくなる!
「うあんん……い、ヤダ……やめ、止めて……おい、か…わさ、ん……やめ、や、うあ、うあぁ、止めて、下さいぃ」
止めてと言えば言うほど及川さんは、反対に強く揉み込んでくる。
本当におかしくなる!
止めて! こんなのいやだ!
涙が滲んできて、視界がぼやける。
なんで、こんなことするんだ。
俺は、こんなにも及川さんに……。
どんどん涙が零れ落ちていく。
イヤだ、イヤだ、イヤだイヤだイヤだ、イヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだぁーー!!
「いやだ! 止めて、 及川さん!!」
パンっ!
「ッ!」
俺は思いっきり及川さんの頬をひっぱたいた。
動きの止まった及川さんの腕の中から必死にもがいて抜け出して、俺は部屋を飛び出した。
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