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やっぱり心配顔
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「うるさいのはお前だ影山!」
わざとらしく片耳を指で塞いで声を大にすると、その声が聞こえてしまったのか、体育館の中から澤村さんが出てきた。
「お前達、何騒いでんだ!?
早く来い! もう練習始まってるぞ!」
「う、ウス……」
「ハーイ……」
「すみません」
俺達は急いで体育館の中に入る。
他の部員たちはもう集まっていて、練習を開始させていた。
そこで澤村さんと菅原さんが俺の目にやはり気付いたようで、眉をひそめながら近付いてきた。
「影山? どうしたその目?」
「痛そーだな……大丈夫か?」
そんな二人の声に、他の部員達も心配顔で近付いてくる。
やっぱり皆に心配かけちまったな。
本当に皆優しい奴ばかりだ。
一人ぼっちだった中学の時とは違うことに、思わず笑みがこぼれそうになった。
だけど、皆俺なんかを心配してくれてるんだ、笑ってないでちゃんと安心させないと。
「大丈夫ッス。
昨日録画してたバレーの試合観てて、ちょっと寝不足で目が赤いだけです!」
「なんだ、そーなのか?」
「バレーの試合観てて寝不足とか、影山らしー!」
「なんだよ、ビックリさせんじゃねーよ! ナハハハハ!」
「す、すんません……」
皆はホッとしたような顔をして、笑っている。
田中さんは俺の背中を何度も叩いて、豪快に騒いでいた。
良かった……なんとか誤魔化せたか?
ホッとため息を吐いた俺の後頭部に、突然バレーボールが飛んできた。
「いってっ!?」
後ろを振り返ると、日向と月島二人だけがこちらを悲しそうな顔をしながらも睨んでいた。
「お前ら……」
そんな二人に向かって俺は、誤魔化すように飛んできたボールをぶちこんでやった。
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