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大半は
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そう声を張り上げた日向は、俺を優しく抱きしめた。
すごくビックリしたけど、放れようとは思えなかった。
それよりも日向が『大事』って言ってくれたのが嬉しくて。
お前は俺の大切な相棒だ。
日向も俺のことそう思ってくれてるんだろ?
だからあんなに心配してくれて、大事だって思ってくれるんだろ。
ずっと中学の時はひとりぼっちで、心から大切だと思える仲間なんていなかった。
でも今は、日向がいる。
俺のために悲しそうな顔をしてくれて、心配して声も張り上げてくれる。
その事がすごく嬉しい。
「心配してくれてありがとな日向。
俺もお前が大事だ」
今日初めて笑って見せると、日向も嬉しそうに微笑んでくれた。
「お前も大事って言ってくれてスゲー嬉しい!
けどたぶん、俺の大事とお前の大事は意味が違うと思……げ……」
日向が変な声を出してある方向を見たから、俺もその方向を見ると……
そこには、いかにもサラリーマン~って言うようなスーツ姿のオッサンが、こっちを不審者でも見るような目で凝視していた。
あ、やべー……俺今、日向に抱きしめられてたんだった……。
そっと離れて、日向に背を向ける。
日向も俺から少し離れた。
オッサンは何回もこちらをチラ見しながら去って行った。
「日向……もう遅いし、帰るぞ」
「そ、そうだな……。
あ~あ……体育館の時といい、今といい、なんで邪魔が入るかなぁ~……」
「あ? なんだ?」
「いや、今そんな雰囲気じゃないし……。
なんでもねぇ……」
長いため息を吐きながら日向が、フラフラと歩き出す。
それに首を傾げながら、俺も帰路につくため歩き出した。
日向に抱きしめられたり、オッサンに見られたり、ハプニング続きだった。けど、
それでも頭の中の大半を埋め尽くすのは、さっきの及川さんの苦しそうな顔だった。
なんで、あんな苦しそうな顔するんだよ。
及川さんの大事な話ってなんだったんだろう……。
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