アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ショック
-
家に帰ってからもずっと、及川さんの苦しそうな顔が頭から離れない。
あんな顔初めて見た。
いつも俺には意地悪な顔、皆の前では笑顔だった。
それなのに、
俺があんな顔にさせてしまったのか。
その事に何故か強いショックをうけている自分がいた。
なんで俺の前であんな顔するんだよ……。
長い長いため息を吐いて項垂れていると、突然母さんに声を掛けられた。
「飛雄~ご飯よぉ~」
「なんかほしくねぇ……」
「えーー……どーしたのよ? せっかく今日は飛雄の大好きなカレーなのになぁ~」
「カレー……」
「嬉しいでしょ?」
カレーは大好物だ。
いつもならカレーという言葉を聞いただけで嬉しくて、思わずにやけてしまうほどなのに。
今日は何故か食べたいと思えなかった。
そんな俺の気持ちに気づかず母さんは、笑顔で背中を押したり、肩をポンポンと叩いてくる。
「早く食べないと冷めるわよ!
飛雄の大好きなカレーが!」
「分かったよ……食べに行く」
あまりにも笑顔で言うから、俺は仕方なく重い腰を上げた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
35 / 445