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恥ずかしい
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────ずっと、好きだった。
その言葉を思い出すだけで、嬉しくて思わず笑顔になれる。
「飛雄……もう一回キスしてい?」
及川さんが今まで聞いたことないような甘い声で、囁いてきた。
耳元で響いたその声に、顔が熱くなっていくのが分かった。
いや、でもここ玄関だし、扉開けたままだった。
下手したら誰かに見られてしまうかもしれないのに、俺達はなんて大胆なことをしてしまったんだ。
及川さんは今も笑いながら、ゆっくりと俺の唇に自分のを近づけてくる。
「うぁ、え、ちょっと待ってください!」
「ダメなの? 俺、も一回ちゅーしたい……」
またも甘い声が耳元で囁かれる。
それにドキドキしながらも、慌てて及川さんの腕の中から抜け出した。
そんな俺の行動に、及川さんは頬を膨らませた。
「飛雄、ずっと傍にいてくれるって言ったじゃん!
嘘だったの?」
「な、何言ってんすか!
傍にいるとは言いましたけど、ずっとくっついてるとは言ってないっす!
それに高校違うから、ずっと隣にいるのは無理ですよ」
「そりゃそーだけどさ……」
恨めしそうな目で睨んでくる及川さんに俺は、小さく笑って頭を撫でてやった。
「俺の言う傍にいるってのは、心と心はずっと繋がってるっていう意味で。
どんなに二人が離れていても心は及川さんの傍にいます……
つーことです……」
なんか言っててスゲー恥ずかしくなった!
俺は及川さんから目を逸らしながら、頭を撫でていた手を引っ込めた。
恥ずかしくて早く話題を変えたいのに、及川さんは何も言ってくれない。
何ずっと黙ってんだよ! 何かしゃべれよ!
恐る恐る及川さんの方を見ると、めちゃくちゃ顔を真っ赤にさせていた。
なにその顔……何か可愛い……
「も、もぉ~~……飛雄のくせに何クサイこと言ってんの……」
「お、及川さんこそ、何可愛い顔してんすか?」
「か、可愛くないよ!
変なこと言うなバカ!」
しばらく二人は、赤面のまま俯くことしか出来なかった。
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