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眠っててもずっと
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「中学の時からずっと好きだったって言ったでしょ」
「あ……ハイ」
及川さんはまだ枕で目から下を隠したまま耳まで真っ赤にして、真面目な声を出してきた。
だからこちらも真面目に聞かないとなとそう思った。
「でも、俺達は男同士だからこの恋はいけないって、諦めないといけないって
そう思ってお前を忘れるために、無理に好きでもない女の子達と付き合ったことがあったんだ」
「…………」
真面目な声、真剣な目で話すから何も言えずに、ただ黙って話を聞くしか出来ない。
そんな俺を見て及川さんは小さく笑って、枕を膝の上においた。
「最低なことに沢山色んな女の子を傷付けた。
もちろん付き合ったからには、ヤることもやったよ。
彼女達は幸せそうな顔をしていたし、実際そうなんだと思ってた。
でも朝俺が起きたら、彼女達は不機嫌な顔をしてることが多かったんだ。
どーしてだと思う?」
「どーしてっすか?」
質問の答えが本当に分からず首を傾げた。
すると及川さんは今度は困ったように笑う。
「不機嫌なわけを教えてと頼んでも教えてくれなくてね。
一番最後に付き合った元カノは、結構おしゃべりな子だったから教えてくれたんだけど……」
そこまで言ってから及川さんはまた、耳まで真っ赤になって俯いた。
言い淀んだ言葉の続きが気になって、俺は及川さんの腕を急かすように引っ張った。
「なんで不機嫌だったんすか?」
「……トビオって誰?
って言われたんだ……」
「え? どーいう意味?」
トビオって俺の事だよな?
及川さんの元カノがなんで俺の名前を口に出すんだ?
「今まで気が付かなかった、だってねごとだったんだもん。
寝てるときにいう言葉なんて、誰かに教えてもらわないと分かんないでしょ……」
「え?」
「もぉーーーー……これだけ言ってもまだ分かんないの?
つまり、
俺はお前のことがずっと好きすぎて、彼女と一緒に寝てる時も
お前のこと求めてたってこと!!」
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