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手の温もり
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母さん、ありがとう
そう心の中で何度も呟きながら、好きな人と学校までの道を歩む。
なんか、幸せだな……なんてそんなことを思って隣の彼をそっと覗き見すると、どうやらむこうも俺のこと見ていたようで、視線がぶつかってしまった。
そんなことにもいちいちドキドキしてしまう。
恥ずかしくて慌てて視線を逸らすと、及川さんが小さく笑った。
「なあにトビオちゃん?」
「お、及川さんこそ、こっち見てたじゃないですか……。
なんですか?」
「ん~~……いや、やっぱりトビオちゃん可愛いなぁ~と思って見てたんだよ」
ニコヤカに微笑みながら、ますます恥ずかしくなるようなことをサラリと言って退ける及川さんに、やっぱりますますドキドキさせられたななんて思う。
きっと俺今、すごく顔真っ赤だ。
それを見られたくなくて俯くと、不意に手をギュッと握られた。
「お、及川さん!? ここ外ですよ!
誰かに見られたら恥ずかしいです」
俺は周りをキョロキョロと見渡してそう言って離そうとしたが、その力よりも強く手を握られる。
「良いじゃん見られても。俺達付き合ってんだから。
飛雄のお母さんにもちゃんと認めてもらえたし。
それに、こうやって手を繋いでれば、飛雄が俺のものだって周りに教えることが出来るでしょ」
「誰に教えるんですか……もう……」
及川さんは本当に嬉しそうに微笑んでから、俺の手を引いてどんどん前に進んで行く。
そんな暖かい温もりに笑みをこぼしながら、大好きな人の傍にいられる喜びを噛み締めた
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