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手加減すんな!
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及川さんの後ろ姿をずっと見つめて見送っていると、突然月島の服の袖で口や頬を拭われた。
それが地味に痛かった。
「ぶっへグっっ!
イテーな月島、何すんだよ!?」
「ごっめんねー、王様の頬があまりにも汚かったから、つい拭きたくなっちゃって」
棒読みで言われた言葉に苛立ったが、月島の口は笑ってるのに、目が全然笑ってないことに気づいて一瞬怯んでしまった。
「汚れてなんかねーよ……。
つーか、さっきの話なんだよ?
手加減するとか負けねぇとか、バレーのことか?
だったら絶対手加減なんてすんなよ!!
手加減なんてしたら、ぶっ飛ばすからな!」
及川さんは俺の恋人だけど、それと同時に絶対追い越したい、負けたくない相手でもある。
だから、バレーの試合とかで仲間が手加減して負けるとか、そんなの許せねーよ。
そんなことを思いながら二人を睨んでグッと拳を握っていると、二人はお互いに顔を見合わせた後何故か大袈裟に吹き出された。
「な、何笑ってんだボケェ!!?」
「いや、ゴメンゴメン!
俺達は絶対手加減なんかしねーよ!
大王様なんかに絶対負けねぇよ!!」
「そうそう。
バレーでも、勿論それ以外でもね」
二人はなんでかすごく嬉しそうに笑って、校舎に向かって歩き出した。
それ以外ってなんだ?
と、首を傾げながら二人の後を追った。
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