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愛の力で! 及川side
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「つーか、影山がそんな学校が同じってだけで、中学の時からずっと好きだったお前を捨てて、他の奴と付き合うような軽い奴だと思うか?」
「思わないよ」
「まあ、影山を好きって言う奴が沢山いるのは不安かも知れねーが、真面目な影山なら大丈夫だべ!」
キッパリとそう言いきって、自信満々な笑みを浮かべる。
岩ちゃんがそう断言してくれただけで、大丈夫だって思える。
そうだよね。
あの、及川さん大好きっ子飛雄が、俺を裏切るなんて有り得ないよね!
突然のライバル出現に、ちょっとビビりすぎたかな。
チビちゃんとメガネくんに挑発されて、冷静でいられなくなるなんて、及川さんらしくない!
そうだよ、飛雄と俺なら絶対大丈夫だ。
いくら二人が邪魔しにきても、俺達の愛の力で返り討ちにしてやる!
飛雄、何があっても絶対離さないからね……。
決意を固めて意気込んだ俺に、岩ちゃんは意地悪そうに笑った。
「やっといつものムカつく顔に戻ったな」
「何そのムカつく顔って!」
「さっきの辛気臭い顔がメンドクセー顔で、今の顔がムカつく顔」
「何それぇ~? なんか両方ヤダな……
でも面倒臭いより、ムカつく顔の方がスッキリしてて、なんか良いかも」
「ハハッ、バーーカ!
まあでも俺は、お前なんかどーでも良いけどな。
俺が一番応援してんのは影山だから。
影山が幸せならお前が泣こうが喚こうがどーでも良い、反対に笑って喜んでやるよ!」
「何それ! チョー酷いんだけど!
でも飛雄を幸せにするのは絶対俺だから、その心配はいらないよ♪」
「ハッ! さっきまで泣きそうだったくせに。
良く言うべ!
また影山に及川が泣いてたって言っとくかぁ~~」
「ちょっ、ちょっと止めてよ岩ちゃん!」
高らかに笑う岩ちゃんに小さくため息を吐いて、
それと同時に笑みを浮かべた。
ありがとう
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