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俺逹は Share one's fate ~運命を共にする~
過去話2
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「兄さん。彼女さんと別れて寂しい?辛い?悲しい?」
今まで急に喋らなくなったから、どう話したらいいのかわからない。
「まあ、寂しいかな。もう会えなくなるんだし。あと、一応1年間は付き合ってたしな。」
「そっか。ふふ…。大丈夫だよ兄さん。これからは俺が一緒に居るから。安心してよ。」
何に対して大丈夫なんだか…。
「だからさ、今日は一緒に寝てあげよっか?てか、一緒にねよ?」
「まて、どこからどうしたら、一緒に寝る話になるんだよ。それに、お前もう小6だろ。」
連は首を傾げる。
「なんで?兄弟は年かんけいないよ?今までだって一緒にねてくれてたじゃんか。」
あれを言ったらああいう。これを言ったらこういう。だいたい一緒に寝てたのはいつのはなしだよ……。うん。小5でも、寝てたような気がする。今回ばかりは口で勝てそうにない。
「わかった。どっちのベッドで寝たい?」
答えは即答だった。
「兄さんの‼︎」
だろうな。だって、すでに自分の枕もって来てるもんな。俺のベッドで寝る気まんまんじゃねえかよ。
「俺、まだすることあるから先寝とけ。」
連は首を振り、ベッドに腰をかけ、決して寝ようとはしなかった。
ずっと見られてることに気づき、テスト前だと言うのに勉強に集中出来なかった。もう、寝よう。
立ち上がり、ベッドに歩いて行くと、連が奥につめ、二人とも布団に潜り込んだ。
7月になりたてで、クーラーはつけていない。とにかく暑かったのはよく覚えている。日中30度超える時があるのに、男二人が一つのベッドにクーラーもつけずに仲良く同じ布団にくるまる図はどうかと思う。本当に暑い。
「ねえ、兄さん。俺は兄さんのこと好きだよ。兄さんは俺のこと好き?」
急な質問に戸惑う。
「そうだな。未成年でタバコを吸うようなやつはあまり好きではないかな。」
それは真っ赤な嘘だ。吸ってようが吸わないでいようが、家族なんだから嫌いになるわけがない。
「わかった。二十歳になるまで吸わない。」
あー、そうしろ。と心の中で言う。
暑い。
「ふふ。兄さんの匂いがする。兄さん今暑い?汗の匂いがしていい匂い。」
男の汗の匂いの何処がいいのか理解出来ない。
「男2人が同じベッドに、しかもクーラーつけずにいたら暑くもなるし、汗もかく。」
「そっか。そおだよねえ。」
暑いけど、眠くもなって来た。
「久しぶりの兄さんだ。1年ぶりの兄さんだ。」
ヤンキーのはずの弟がなんか、感激の言葉をずっと言い続けている。まあ。眠いから寝る。
「ひゃっ‼︎」
不意に首を舐められた。その行動にびっくり。
「お前な、寝ろ。さっさと寝ろ。」
眠かったから、そんなに怒らずまた、目を閉じる。
「うん。わかった。おやすみ兄さん。」
「あー、おやすみ。」
2人の意識は沈んでいった。
そんな出来事を境にしてまた、仲良くなった。1週間に3,4回ペースで寝るほどに。
そして、3年後。俺は高2になり、連は中3になった。連は受験生だ。俺と同じところを受けたいらしい。誰がどう見ようと仲がいいと思う。ヤンキーは在中だけど、タバコは吸わなくなったし、親が呼び出されることもなくなった。
よくなって来たと言うことだ。ただ、今だに何故あの1年間はあまり喋らなくなったのかはわからない。
まあ、いいか。弟がヤンキーでも、人間性的に間違えなかったらそれでいい。
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