アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
俺逹は Share one's fate ~運命を共にする~
女子生徒
-
テスト終わりのチャイムがなる。今回のテストは土日をはさむので、いいのか、悪いのか明日は休み。
「お疲れさん。鬱夜帰ろうぜ。」
小学校から同じの紅咲(こうさか)が声をかけて来た。鬱夜は無言で立ち上がり紅咲と歩き出す。
「あ、あの待ってください!高城先輩‼︎」
名前を呼ばれたので反射的に立ち止まるが、おかしい。
「あれ〜?なんで此処に女子生徒がいるわけ?」
そう。この高校は共学だが、男子校舎、女子校舎と分かれている。男子と女子との関わりがあるとすれば、何かのイベントか、もしくはそれについての話し合い。あと、部活動ぐらいしかない。
かと言って、休み時間の間に行き来すると言うことも難しいだろう。一応、渡り廊下はお互い繋がってはいるが、さっき言った通りのイベントの時ぐらいしか開かれない。
先生方も男子と女子とをあまり合わせたくないのかもしれない。だからお互いの校舎に入るのは大変珍しい。かなり周りから目線が集まる。そのため、まだ人が少ない朝にこっそり入るのが普通なのだ。
だから、紅咲がちゃちゃを入れるのにも無理はない。
だが、目の前にいる女子生徒は周りの目を気にしながらも、鬱夜のところにいる。ある意味勇者だった。
「ねえ、君〜。なんで女子生徒が此処にきてるの〜?」
紅咲が女子生徒をちゃかす。
「あ、あの。わた、私は高城先輩によ、用があるんです。」
「ふ〜ん。でも、此処校舎内だよ?門で待っとけば良かったのに。」
紅咲が調子に乗り出して嫌味のように聞こえてくる。
「ねえ、そんなに急がなくちゃいけないこと?ねえ?ねえ?じゃあさーー「お前、いい加減にしろ。やり過ぎ、此処まで来るのにどれだけ大変か分かってるだろ。ましてや、俺個人となるとなおさら…。」
鬱夜が紅咲のおふざけに耐えられなくなり、止めにはいった。そして、紅咲を睨みつける。
「はは。ごめんごめん。つい反応がおもしろくてさ〜。」
「お前少し黙れ。話が進まない。」
鬱夜が女子生徒に目を向ける。
「ごめんな。こいつ、バカなだけだから気にしなくてイイよ。…で、要件はなに?」
紅咲は空気を読み、少し離れたところへ移動した。
女子生徒は鬱夜に見つめられビクっとする。
「あ、あの。こ、これ…受けとってください。」
差し出されたのは淡いピンクの封筒に入った手紙。
「…なにこれ?」
「て、手紙です。あの、その。中身は出来れば家で見て欲しいです。その!えっと、あの。返事はまたの機会でいいので。あ、ありがとうございます。用はこれだけなので。さ、さよなら!」
女子生徒は言うことだけ言って嵐のごとく走って去ってしまった。
「おわったかあ〜?」
鬱夜は「あー」と返事をする。
「手紙?まさか、ラブレターか!お前は何処へ行ってもモテるえ〜。」
紅咲を無視して歩き出す。いつものことだから紅咲も、おいて行かれることに関してはなにも言わない。
「ただ、お前。その手紙どうするつもりだよ?あいつに、連に見つかったら取り上げられるんじゃね?」
真顔で聞いてくる紅咲を横目で見て答える。
「取り上げられるだろうな。あいつのためにも、もうそろそろ俺離れして欲しいとは思ってはいるんだが、どうしたらイイと思う?」
「無理だろ。それは諦めろ。あいつのブラコンさは以上だよ。それよりも、手紙だよ中身だけでも見ないと女の恨みは怖え。」
「よく言うよ。」
結局鬱夜は中身を確認せずにテスト帰りの道を歩いていく。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 116