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俺逹は Share one's fate ~運命を共にする~
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あれから鬱夜が連によってセクハラを受けてから数日が過ぎ、期末テストシーズンになった。言っても、まだ一週間前。
夜、一緒に寝ることはあっても、セクハラを受けることもなかった。
だが、相変わらず高本とは一緒に帰っていた。
「鬱夜〜。今日けりつけるから〜。」
(眠い。寝かせろ。)
「ちょっと鬱夜さん?聞いてます?今日、高本とのことけりつけるから。」
「っえ?」
突然のこと過ぎて思わず顔を勢いよくあげてしまった。基本、紅咲のことは右から左へと流していたから理解するのに時間がかかる。
「あー。やっぱり聞いてなかったのね〜。悲しいなあ。」
「…で?」
「おう。けりつけるっつってもあっちから言ってきたんだけどな。はっきりさせたいからって感じに。」
「ふーん。」
違和感でしかなかった。なんせ、はっきりさせたいと伝える相手が鬱夜ではなく紅咲だということが何より不思議。
「ま、考えすぎるのはよくないぞ〜。…ハゲるぞ。」
「……。」
「え?無視やめてぇ。」
鬱夜に無視されて嘘泣きをしだす紅咲は、チラチラと鬱夜を見てはまた嘘泣きを繰り返し、これ以上やっても相手にされないことを悟ったのか、机に突っ伏した。だが、それでもブーブーいっている。
「…これでも、頼りにしてるから。」
「っえ!?今なんて言った?ねえねえ!頼りにしてるって言ったよな?もうちょい大きな声で言えよ!おいってばあ〜。」
「うっせえ!もう知らん!」
「え〜。」
聞こえないように小声で言ったはずなのに伝わってしまった本音を恥ずかしく思い、机に伏せ、寝る体制に入った。
「ちょお〜。もう一回言ってよ。ちゃんと聞き取れなかったんだってぇ。」
(うるさい。)
紅咲のことはほっといて高本のことを考えようとする鬱夜は思考を止めた。
(『考えすぎるとハゲる。』か。)
今度こそ何も考えず鬱夜は寝た。本当に紅咲をほっておいて。
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