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俺逹は Share one's fate ~運命を共にする~
真実
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「さあ、話してもらおうか高本智代梨さん?」
一変にしてあたりのオーラが重く感じられる。
「話すことなんて、ない…。」
「うん。じゃあ俺から言うね。結果を言うと、高本さんの本当の彼氏だった人への見せしめ、ってところかな?」
高本が顔をあげて呆気にとられている。
「な、んで知っ「図星かあ〜。なんで知ってるかって?そりゃあ、いろいろ調べたからねえ。ま、すごい時間かかったけど。」
「う、グス。…ひっく。」
高本はぺたんと地面に座りこみ、静かに泣き出した。
「泣いても無駄だって。話続けるけど、高本は彼氏に振られたことが気に食わなくて、もう一度振り向いて貰えるようにはどうしたら良いか考えた挙句、一つの結果に辿り着いた。…皆んなが噂してるカッコイイ人と付き合えたら、振り向いて貰えるのではないか?っていうところにね。そんで、噂されてるイケメン君が鬱夜だったというわけ。」
「そこで何故俺が出てくるんだ?」
「兄さん、それ無自覚なら今は黙っとこう、ね?」
「でも、トラブルが起きた。鬱夜のことを調べていくうちに自分が鬱夜のことを好きになってしまっていた。漫画とかでもよくある話だよ。それで、告白。まあ、1回目のラブレターも2回目の公な告白も連にじゃまされたけどね。」
「ってことは他にも何回かしてたんだねえ。俺の知らないところで。」
途中連が口を挟んだ。怒っているというより呆れているように苦笑いを浮かべていた。
「連、それも後で話すから勘弁。そんでさらに調べていくと、なんか高本さんチンピラ達と関わりがあることを知ったよ。冷やっとしたねえ〜。鬱夜が拉致されると鬼の様に荒れまくる奴がいるからさ。「おい、てめ…「でも!逆にチャンスだと思った。チンピラの頭がコッチにはいるからね。」
周りには高本のすすり泣く声しか響かなかった。自分達以外時が止まったかのようにシーンとしている。
「今朝声をかけられて、早速連に伝えさせてもらったよ。ここに連れてこられることも想定内だったから、ちょいっと掃除頼んだ。俺は喧嘩弱いから無理だしね。受験生なのに良くやってくれたよホント、無傷だし。よかったよかった。そんで、今にいたるんだけど、聞きたいことある?」
静かに首を横に降る高本は今までの女の子らしい元気はなかった。
「そっか。まあ、もう一つ言っとこうかな。俺は君にとって邪魔な存在だからここに連れてこられた時、何かしら攻撃されるだろうなと腹はくくっていたよ。でも、鬱夜にまで手を出すなんてことは正直予想外。ここからは憶測になるけど、冷めた頭で考えてみると、本当に拉致して、軟禁か監禁するつもりだったのかもね。違う?」
「…違いません。ずっと先輩は私のこと見てくれませんでした。だから、少しでも先輩の視界の中に入りたかった。ただ、それだけです。」
「軟禁と監禁ってどう違うの?」
「連、今は黙っとこう。」
「一ついいですか?」
高本が口を開く。
「高城先輩は好きな方いらっしゃいますか?」
(好きな人…ね。)
「…いるよ。」
周りが驚く表情を見せる。
「ちょ、兄さ…!「今、ここにね。」…ん!?」
鬱夜以外3人とも目を疑った。気が付いた頃にはもう、鬱夜から連にキスをしていたから…。周りの止まっていた時間が動いたように感じる。
「にい…さん?」
「ってことだから、高本さんのことには答えられない。…ごめん。でも、これからは先輩、後輩とかいう関係ではなく、友達として知って行こうよ、お互い。」
言い切る頃には鬱夜は連の服をぎゅっと掴んでいた。そして高本も心のつっかえが取れたように今までにないくらいの柔らかい笑顔で返事をし、また泣き出した。
「ごめんなさい、先輩。ごめんなさい、皆さん。」
空が晴れわたる。
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