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俺逹は Share one's fate ~運命を共にする~
余裕
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連と付き合い始めてからまだ数日もたっていない。っていうか、1日目だったりする。
昨日は勢いで本当の気持ちを伝えたが、後悔はしていない。むしろスッキリしている。
今日は土曜日で、学校がない。テスト一週間前ということで部活もない。ただひたすら家で勉強しろという先生の言葉を守り、朝から勉強していた。
現在、午前11時半。
朝の6時からやった割には結構集中力が続いた。
「ん〜。」
ベッドの方で連が寝ている。寝返りを打ったのか少しずつだが、鬱夜が寝ていたところにまで、迫って来ていた。
(ベッドから落ちないか?こいつ。)
開いていた教科書を閉じ、ベッドまで歩いていく。
「連、ベッドから落ちるぞ。」
「ん〜?…あ、ごめん。」
「寝てていいからずれろ。」
「…いや、起きる。」
普段休日には朝に起きない連が、ムクっと起きるあがる。
不思議がって連を見ていたら、それに気がついた連は微笑む。
「おはよ、兄さん。俺だって受験生だからねえ〜。」
鬱夜は連の言葉に驚いたが、ふーん。と相槌を打つだけだった。
「兄さんは何やってたの?」
「…数学。」
「うわ、えら。…あ、そだそだ!理科教えて兄さん。」
「どこ?」
「まって、教材持ってくるから。」
パタパタと駆け足で自室に戻る連を見て、心なしか寂しく感じる。
(今日は何もちょっかい出さないのな。)
そんなことを考えていたら、すぐに戻ってきて、ここ!と指をさしながら、聞いてきた。
「イオン?これ、中2の範囲だろ。」
「俺、サボってたから〜。」
ついつい、心の中でなるほどなと納得してしまった。
「イオンはコツさえつかめば簡単。」
それから、30分程度説明したら理解したのか、スラスラ問題が、解けるようになっていた。
「飲み込み早いんだから、これから話聞いてたら解けるんじゃね?」
「兄さんだからだよ。他の人のは意味不。」
また、連の言葉に驚いた。なんか、照れる。
「あ〜。兄さん照れてる。」
「なっ、別に…照れてない。」
語尾が小さくなって言ったことが肯定を表しているように感じ、さらに照れてしまう。
「兄さん。」
……チュ……
本日3回目の驚きに言葉を失い、キスされた唇に、無意識に手を当てる。
「…兄さん。期待したでしょ?どうする?これ以上のこと…する?」
「…え。し、しない!」
思わず否定したが、心のどこかではしてほしいと願っている自分がいた。
もっと見て欲しい、触って欲しい。
「俺はしたいなぁ〜。」
「っな!?「鬱夜くん連くんご飯よ〜。」
下で透子さんの呼ぶ声が聞こえてきた。
「もう、昼飯か。早いなあ〜。行こっか兄さん。」
目を合わせられず、無言で頷く。
「やっぱり、兄さんして欲しかった?」
「うっせ!行くぞ。」
図星をさされ勢いよく出て行こうとする。
「兄さん。」
腕を掴まれ反射的に後ろを向くとまた、キスされた。触れるだけのキスを。
「おわずけかあ。」
そんなことを口にした連は鬱夜より先に階段を下りていく。
(なんだよ、あの余裕わ!)
1人、もやもやした気持ちの鬱夜も連の後を追いかけるように階段を下りて言った。
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