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俺逹は Share one's fate ~運命を共にする~
わかってるから
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連side
浮かれてた。
今思えば本当に浮かれてた。
「あれ?なんか連さん嬉しそうっすね。」
帰り道、取り巻きの一人が聞いてきた。そりゃ嬉しいし楽しみで仕方がない。
「おい!今日は連さんと鬱夜さんの誕生日だろうが!」
「え!?どうしよ、お、俺なんも用意してないっす。」
「別に気にしなくていいから。」
最近つるむようになった一つ下の奴が真っ青な顔をしたが、正直本当にどうでもよかった。
家に置いてある兄さんへの誕プレを思い返してみる。
似合うと良いんだけど。
いや、俺が選んだんだから似合って当然だろう。
「連さん!鬱夜さんの誕プレ渡しに行っていっすか?」
「……無理。」
辰賀が聞いてきたが、断る。
こいつは兄さんのこと、おそらく恋愛対象として見てる。辰賀本人気付いてるか知らねえけど。だからダメ。いや、他の奴にも合わせる気ねえけど。
「今日はここまで。」
「「はい!」」
よくもまあ、こんな俺にちょこちょこいろんな奴が付いてくるようになったもんだよ。
さてと、さっさと家入ろ。
……変だ。鍵が開いてる。
嫌な予感しかしなかった。
勢いよく玄関の扉を開けた…。
そこには信じられない光景があった。
「にい、さん?なにやってる…の?お前らも……。」
兄さんが双子の片割れと抱き合ってる。
もう、何が何だか。
「連!」
気がつけばいつの間にか俺は走っていた。
後ろから兄さんの声が聞こえた気がしたけど、今こんな顔で会うわけにはいかない。きっと凄い怒ってる顔してるから。
前、約束したのに…。いなくならないって約束したのに。
俺が走って来た場所は施設にいた時によく兄さんと来てた公園だった。
懐かしい。
「連……見つけた。」
「……。」
走ってきたのか凄い息が上がってる。嬉しい。
嬉しいのに、でも素直に喜べない自分が少し憎い。
なんとなく冷静になってきた頭で考えると、さっきの光景もあの双子のせいだとわかってきた。
兄さんが、どうしてあんな状況になったのかもなんとなく、わかってる。
兄さんが何故ここにいるのかも、ちゃんとわかってるから……。
話そう。兄さんと話そう。そうしなくちゃいけない……。
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