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「将吾さん、ごめんね?」
まだ息も整わず、ぼんやりした意識のなか、本宮くんが囁く。
訳が分からないままに首をかしげると、白濁に汚れた本宮くんの手が、僕の太股を割り開いた。
「ゃっ…!」
恐怖と言うよりは、驚きに近い気持ちでその手を制そうとすると、柔らかく慈しむような口付けが降ってくる。
「将吾さん、大丈夫。
無理なことは絶対にしないから。
お願い、可愛い将吾さんが見たい」
彼がいつも何をもって僕を可愛いと称すのかは甚だ疑問だが、今はそんなことはどうでもよかった。
「ん」
ただ、彼の想いに応えたい一心で、羞恥を堪えて小さく頷く。
「ありがとう、大好き」
心底幸せそうにそんなことを言われるから、ホントに僕は愛されてるんだと実感する。
ゆっくりと、本宮くんの手が僕の後ろにまわる。
始めは核心を付かずに、周囲をやわやわと撫でられる。
逆の手は僕の全身をまさぐって、熱い舌は首筋や胸を弄ぶ。
全身がジンジンと熱を持って、彼を求めている。
「本宮…くん…」
途切れ途切れに愛しい名前を呼ぶと、後ろに触れていた指先が、中心に向かった。
入り口を、揉み込むようにぐにぐにと押される。
まだ侵入しないそれは痛みなどは与えてはこないが、未知の快感が僕を襲う。
ジンジンと甘く痺れるような気持ち良さ。
まさか、こんな所が性感帯になるだなんて。
襞を伸ばすように、固く閉ざした入り口を解すように、本宮くんの指が器用に動き回って。
「ぅんー…」
切なく漏れた吐息に、本宮くんはうっとりと僕の髪を撫でてくれて。
「ちょっとだけ、我慢してください」
その言葉に覚悟を決めて、ゆっくりと、しかしはっきりと頷く。
僕が頷くと同時に、いつの間にかローションにまみれた本宮くんの指先が、ゆっくり丁寧に僕の身体に侵入する。
「っんーっ…!」
堪えきれずに小さな呻きが漏れる。
慈しむように丁寧に動く指は、痛みは与えない。
けれど、違和感が半端ではない。
体内に飲み込まれているのはほんの少しだけなのだろうが、そもそも本来、受け入れるための器官ではないのだ。
もちろん本宮くんもそれを分かってくれているから、決して焦らずに、ぐにぐにと指を動かすだけで、無理に奥へ進んだり指を増やしたりはしない。
それでも、味わったことのない感覚が僕を襲う。
本宮くんに対する怖さはもうない。
が、行為に対する怖さはまだ払拭できていなくて。
「将吾さん、辛い?」
その声に、固く瞑っていた目を開くと、無意識に滲んだ涙を拭ってくれた本宮くんが、慈しむような目線で僕を見守ってくれていた。
「ううん、大丈夫」
熱い吐息の合間に、そう告げる。
それは、自分に言い聞かせるためでもあった。
大丈夫、本宮くんとなら。
大丈夫、だってこんなにも好きなのだから。
大丈夫、だって本宮くんは僕を愛してくれているから。
「ありがと。無理なときは言ってね」
ゆっくりと、本宮くんの指が質量を増す。
ぐぐっと、僕の身体が拓かれる。
「ぅぁっ…はっ…はっ…」
奥へと侵入を許す度に、浅く短い息が漏れる。
少しキツい気もするが、この調子ならばなんとか堪えられるかもしれない。
しかし、現実はそうそう甘くなくて。
「将吾さん、力抜いてて?」
本宮くんの三本目の指がギチギチの後孔を割り拓く。
「ぅ゙ぅ゙ゔ~…」
それまでとは圧迫感が違った。
入り口を押し拓かれる痛みと、内蔵を圧迫される苦しさ。
先程までは出来ていた呼吸も、ままならない。
身体の力って、どうやって抜くんだっただろうか。
「将吾さん、痛い?」
「大…丈夫…」
そうは言っても、身体はガチガチに強ばってて。
額には脂汗が浮かぶ。
先程まで頭をもたげていた僕の中心も、今は柔らかく縮んでいる。
本宮くんは優しいから痛みだけなら堪えられそうだったけど、とにかく苦しくて、怖くて。
自分でも情けないほど、“大丈夫”の声は震えていた。
「将吾さん、約束。
無理はしないでください」
先程の言葉と共に、後孔が圧迫から解放される。
正直、続きを出来ない寂しさよりも、安堵が勝った。
労るように、本宮くんがギュッと抱き締めてくれる。
「本宮くん……」
無性に彼にすがり付きたくて、涙の滲む顔を肩口に埋める。
「将吾さん、ありがと」
ポツリと聞こえた言葉は、僕の気のせいだっただろうか。
そのあと、本宮くんはそれ以上はしてくれなくて。
本当だったら、彼のモノだけでもイカせてあげられればいいのかもしれないけれど、そんな度胸も技術もないし。
雰囲気的にも互いを高め合うような空気ではなくて。
結局二人でシャワーを浴びて、狭いベッドに並んで横になった。
「本宮くん、ごめんね…」
彼はすごく優しかったのに、受け入れられなかったことが申し訳なくて。
どうしてうまく出来ないのか、どうしてもう少し我慢できなかったのか、悔しくて。
なんで僕は男なのだろうとまで思ってしまう。
でも、本宮くんは全く僕を責めたりはしなかった。
「将吾さん、謝らないでください。
俺は、嬉しかったですよ。
将吾さんが俺のために頑張ってくれたこと。
俺を受け入れようとしてくれたこと。
ありがとう、愛してます」
ふわりと抱き締められて、本当に僕は大切にされてるとしみじみ感じる。
「ありがとう、僕も大好きだよ。
あのね、本宮くんがイヤじゃなかったら、また今度、頑張りたい」
彼の想いに少しでも応えたくて、恥ずかしさを堪えてそう告げる。
「ヤなわけ無いでしょ? 嬉しい。
少しずつ、させてくださいね」
からかうわけでもなく、強制するわけでもなく、穏やかな笑みで本宮くんが気持ちを伝えてくれる。
「うん」
僕も、素直な気持ちで微笑んで頷く。
ゆったりとした空気の中、彼の胸に抱かれながら幸せな心地で眠りに堕ちた。
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