アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
59 入社三年目4月。
-
修羅場というのはこういうことをいうのでしょうか?
一次会で抜けてきた俺と小宮さんは今二人で歩いているのだが…
沈黙。
どちらとも話すことなくただひたすら歩く。
いや、あれは事故であって俺は別に…
そう言いたいのになぜか口が動かない。
『山崎。』
少し前を歩く小宮さんが口を開いた。
『は、はい…』
『俺が今から言うこと絶対引かないか?』
『えっ…』
『引かないか?』
『ひ、引きません!!』
何かわからないけど、取り敢えずそう答える。
『あのな…俺、今スッゲー腹立ってる。』
『は、はぃ…』
『城田に。』
『城田に?』
『城田にヤキモチ妬いてる。』
『えっ?』
『俺も山崎と…キス…したい。』
今なんて?
小宮さんが城田にヤキモチ妬いて、おまけに俺とキスしたい?
このイケメンからそんな言葉が…
なんか可愛い…
『引いた?』
『ひ、引いてません!!むしろ嬉しいっていうか、なんていうか!!嬉しいです!!』
もう訳のわからないことを散々叫んだ。
嬉しいしか言ってないし…
小宮さんが笑い出す。
そして俺に向かって歩き始めて…
『キス…していい?』
そう言われ俺の心臓は高鳴る。
そっと顔が近付いてきて俺は目を閉じた。
フワッと触れるだけのキス。
離れていく顔をすぐに目を開けて見た。
なんだか恥ずかしそうな顔がとても可愛い。
俺、本当に小宮さんと付き合ってるんだ…
そう思うととても嬉しくてもう一度小宮さんの唇を確かめたくなった。
俺だけの唇…俺だけの小宮さん…
『もう一回…いいですか?』
そう言うと、もう一度優しいキスをくれた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
59 / 153