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fifth day.
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目が覚めると、魔物に囲まれていた
…そっか、ゲームに消されない限り、俺に死はこないんだ
そして、目の前には、ボロボロになりながらも剣を振り上げるユキヤ…
やめろ
お前は手を出す必要はないに決まってるだろ
なんで
なんでお前が戦ってんだよ
「やめろユキヤ!」
すぐに武器を握りしめて、魔物に切りかかる
また、体力が消えていく
でもいい
いいから
あいつが死ぬのなんて絶対嫌だから
「俺を殺せよ!何度だって、殺されてやる!」
なんとか何度も死ぬうちに、敵を倒しきった
ゲームのなかの、それもデータが消えていく今の間だからできたこと
これで…ユキヤは無事
だけど…何のために…俺…戦って…
…記憶が消えてる?
もしかして、死ぬ度…初期化が進んでるのか?
くそっ…
思い出さなきゃ
俺は…ユキヤと共に生きるために…
世界平和を…
「違う!」
平和とか、民の意思とか、どうでもいい!
俺はユキヤと共に生きるために…
生きるために…?
「生きるため…じゃない。消えるためだ…」
頭が痛い
割れるようだ
でも…少しだけ残ってる…
ユキヤと共にこの世界から消えるために、俺とユキヤはこのダンジョンに潜り、ストーリーをクリアする
ユキヤのことが好きだから、ユキヤを守る
これだけ、覚えていればいい
後は勝手に、頭が設定に支配されて動いてくれるはずだから
ユキヤを優しく抱き締める
「…ん。あんたか。…まだ行くのかい?」
「ああ…。もっと進む。いけるか?」
「あんたが大丈夫なら」
回復魔法を使って、ユキヤを癒し、その手を握って先へと進む
もうすぐ、ボスの部屋
魔物がまたやって来る
ユキヤを守りながら、倒して、倒して…
ボスの部屋の扉を、勢いよく開けた
いたのは…一人の少女
本当にゲームをプレイしたのなら、彼女との思い出がたぶん出てくるのだろう
だって、今、膨大なデータが俺の頭を支配しようとしてるから
頭が割れそうだ
心が壊れそうだ
「スグル…!なんでこんなところにいるの!?」
ああ…叫ぶな…
女の声は耳にくる
「…セツナ?」
待てよ…なんでユキヤが知っている?
「その声、セツナだろ? 俺だ。ユキヤだ!」
「…ユキヤ…お兄ちゃん?」
兄妹…なのか
俺は忘れてても…妹のことは覚えてるのか…?
少し寂しい
…でも、ユキヤの大事なやつなんだ
なら、助けなきゃ
捕らわれた幼馴染みを
「助けるぞ」
「…ああ、ありがとな。スグル」
好きな人にありがとうと言ってもらえる、スグルと呼んでもらえる
十分だ
俺は彼女についていた手枷足枷を外した
「急いで逃げるぞ」
「ああ」
そのときだった
頭に凄まじい衝撃が来て、俺は意識を失った
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