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新庄 春樹の日常ー3
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「いや…知らないな」
「ご存知なかったですか…」
「あぁ。そいつがどうかしたのか?」
コーヒーを一口飲んで役員を見る。
はい、と役員は返事をするとガサゴソとカバンの中からファイルと取り出し、その中から数枚プリントを出して見せてきた。
「これ、風紀委員の役員から頂いたんですが」
「遅刻数の統計か」
手渡されたプリントには一週間ごとの遅刻数を学年別に示してあるグラフが載っている。
「はい。で、ここ、見て欲しいんですけど…」
トントン、と役員がプリントのある一点を指で叩く。
「…一週間でダントツで二年生が一番遅刻数が多いな」
「はい、でもって、その中で一番多く遅刻しているのがこの人で、」
と、プリントの二枚目を見るように促す。
そこには遅刻者のリストが作られている。
「雪城?」
「はい、この雪城って生徒が編入生なんです」
二週間で既に5回も遅刻を…。
クラスを見ると、一組である自分とは一番離れている八組に在籍しているらしい。
部活動は何もしていないのか…。
「こいつは厄介だな」
「風紀委員も困っているらしくて…。何言っても動じないんです、彼」
なるほど、と再びカップに口をつける。
このままの遅刻数では彼の単位が落ちてしまうのは目に見えている。
彼は編入生であるため、前の学校での優秀な成績だって反映されることはない。
優秀であったかは、知らないが。
それなのに彼は自分で自分を追い込んでいる。
これはなんとかしないといけない。
風紀を乱していると言うのもあるが、留年させるなど、絶対にさせたくない。
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